童話館編集部スタッフ思い出・イチオシ この1冊 第1回
このシリーズでは、編集部スタッフそれぞれの思い出の絵本やイチオシの絵本をご紹介していきます。第1回めは、担当Iによる、息子さんとの思い出の絵本『うちのこみませんでした?』です。
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息子が1才になるちょっと前、息子をひざに乗せて『うちのこみませんでした?』を読んであげていたときです。
「うちのこみませんでした?」
と言う私のあとに、息子が「った」と言った気がして、息子の顔をのぞきこみました。それまで、絵本を読んで反応したことも、ましてや言葉を発したこともなかったので「気のせいかな?」と思いながら次の頁。また、
「うちのこみませんでした?」
と言うと、今度はしっかり、迷子の子ガモを指をさして、
「おった」
と。
私の声で読む絵本の言葉に反応してくれて、小さくて白くてかわいい指で指さして、意味もわかっているみたいで…。
初めてのことに喜びで鳥肌が立ち、そのときの部屋の風景や明るさなどは、今でもよく覚えています。
それからも、たくさんの生きものがでてくるこの絵本を息子は気に入って、息子が「これは?」と指さした生きものを、私が「なまずだね」「ふなかな」「ビーバーよ」などと答えながら読むことを、何度も何度も楽しみました。
今でも、頁をめくると、自分がどんな調子で読んでいたのか口が覚えていて、その声を聞くと、なんとも楽しい気持ちになる、思い出の1冊です。
(担当:I)
『うちのこみませんでした?』
さく・え ナンシー・タフリ
やく はるみ こうへい
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