辞書を引いて、言葉を知る-広辞苑記念日5月25日
5月25日は「広辞苑記念日」。
1955年5月25日に、岩波書店から初版が発行されたのを記念した日です。『広辞苑』の最新の版は、2018年1月に発行された第七版です。第六版の発行が2008年1月ですから、10年という歳月をかけて改訂され発行されたことになります。
辞書や辞典をテーマにした書籍などを読むと、発行されるまでの長い道のりを知ることができるので、10年という歳月がかかったことにも納得させられます。
そうして編まれた『広辞苑』は、テレビ番組で「言葉」の意味を説明するときの出典としてよく用いられているのを目にします。「『広辞苑』第七版によると…」という解説もよく耳にするのではないでしょうか。
また、「『広辞苑』第七版に載っていない言葉の意味はどれ?」というクイズもあります。
たとえば、「絵本」という、私たちにとって身近な言葉も、
『広辞苑』(第四版)には、
①挿絵のある書籍。絵の本。絵草子。
②絵の手本。
③絵を主体とした児童用読み物。
とあり、私たちが使う「絵本」は、3番目の意味として記されています。
このように、1つの「言葉」でも、複数の意味を持つ日本語の豊かさにふれてほしい、との思いで、「童話館ぶっくくらぶ」の会員の方にお届けしている春企画のパンフレットでも、毎年ご紹介しています。
さて、私自身はというと、子どものころから、国語辞典のなかにそえられた、生き物や人間のイラストを見るのが好きで、勉強したり本を読んだりしているように見せかけて、パラパラめくって楽しんでいました。特に『広辞苑』のものは細やかで、しかもあまり見たことのないものがたっぷり掲載してあるので、図書館などで勉強するときは、合間にパラパラ。仏像やお面、昔の髪型など、文字だけで読んでもわかりにくいものが、ひと目でわかるだけでなく、かたくてまじめなもののなかで異色を放ったそれらの表情が、ユーモラスに見えていた気がします。
紙の国語辞典を引くと、言葉の意味を知ることだけでなく、インターネットの検索にはない、想像以上のひろがりに出会うことができます。「最近、辞書や辞典を引いてないなあ」という方も、この機会にいかがですか。
あなただけの辞典の“楽しみ方”が、きっと見つかるはずです。
(担当:I)
『広辞苑』
新村 出/編
岩波書店
「童話館ぶっくくらぶ」春企画でご紹介
この記事をシェアする