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友だちを思う心とめぐる、かぶ -愛菜の日 1月31日


愛菜の日

 

今日、1月31日は愛菜の日。野菜の摂取量が少なくなりがちなこの時期に、もっと野菜を食べ、健康的な食生活を送ってもらいたいとの思いから制定された記念日です。 1を“アイ=愛”、31を“サイ=菜”と読む語呂合わせから1月31日を記念日としたそうです。

冬は野菜の摂取量が少なくなりがち、とのことですが、では、1日に必要とされる摂取量はどのくらいと言われているかご存じでしょうか。厚生労働省の健康日本21(栄養・食生活)によると、成人の適量摂取量は350g以上です。生野菜だと両手で3~4杯分、ゆで野菜だと片手で3~4杯分なんだとか…。正直、結構多いな、と思ったのですが、皆さんはいかがでしょうか。これをきっかけに、自分の食生活をふり返って、どのくらい野菜を摂取しているか確認し、野菜不足を解消できたらいいな、と思います。

 

さて、そんな愛菜の日にご紹介する絵本は、野菜をとおして、人のやさしさにふれられる『しんせつなともだち』です。

しんせつなともだち雪がたくさん降り、あたりがすっかりまっ白になってしまった寒い冬。食べるものがなくなってしまったこうさぎが、食べものを探しにいくと、かぶが2つ見つかりました。こうさぎは、かぶを1つだけ食べ、もう1つは、ろばに持って行ってあげることにしました。きっと自分と同じように食べるものに困っていると思ったのです。こうさぎがかぶを持ってろばの家に行ってみると、ろばはでかけていて留守でした。そこで、こうさぎは、かぶをろばの家にそっと置いて、家に帰りました。こうさぎと同じように食べものを探しにでかけていたろばは、さつまいもを見つけて、元気よく家に帰ってきて、家のなかのかぶを見てびっくり。さつまいもを食べたろばは、かぶをこやぎに持って行ってあげることにしました…。

 

かぶが、ぐるぐると、動物たちの思いやりとともにめぐるお話で、読み終わると、あたたかい気持ちになれる絵本です。
自分も困っているのに、友だちも困っているかも、と当たり前のように行動に移せるのが、本当にステキです。そして、かぶを、さりげなく、「そっと」みんな置いていくのです。かぶを受け取った動物たちも友だちの厚意を素直に受け取り、そして次の友だちへと渡していく。こんなふうに、困っている友だちを思いやれたらいいですよね。

 

仏教の教えのなかで、付き合うべき人をこう説いています。
1.助けてくれる人
2.苦しいときも楽しいときも一様に友である人
3.自分のためを思って話してくれる人
4.同情してくれる人

また、付き合いを避けるべき人は、
1.何でも取っていく人
2.言葉だけの人
3.甘言を語る人
4.遊蕩の人

と説き、付き合うべき人を見極める大切さを教えてくれています。

人付き合いは、悩ましいものです。けれど、「誰とでもうまく付き合わなくてもよい」、「自分のためにならない人とは付き合わなくてもよい」とわかれば、なんだか気が楽になりますが、自分もまた、人から付き合うに足る人か見られている、ということを忘れずにいたいものです。

 

(担当:S)


しんせつなともだち『しんせつなともだち』

 作:方 軼羣
 画:村山 知義
 訳:君島 久子
 福音館書店
「童話館ぶっくくらぶ」での配本コース  ▶「小さいくるみコース」(およそ3~4才)

 

 

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