ぞうの本屋さんブログDouwakan Planning and Public Relations Division Blog

シリーズ〈今月の1冊〉 - 2024年5月『もりのほんやさん』


もりのほんやさん

 

シリーズ<今月の1冊>

今月ご紹介するのは、「大きいさくらんぼコース(およそ6~7才)」の『もりのほんやさん』です。


 

ゴールデンウィークも明け、少しずつまた日常生活が戻ってきました。

今年は春を飛ばして夏がきてしまうような…長崎ではそんな暑い日が続いています。皆さんのお住いの地域はいかがでしょうか?暑いとは言いつつも、目には新緑が眩しく、私はこの季節がとても好きです。温かく優しく吹く風が、何か良いことが待っているような、そんな楽しい気持ちにさせてくれるからでしょうか。

もりのほんやさんさて、そんな5月にラインナップされている絵本・本のなかから、今月の1冊をご紹介します。どの本・絵本もおすすめでなかなか選べなかったのですが…私の今月のおすすめの1冊は『もりのほんやさん』です。

「みなさんは、もりのほんやさんをしっていますね。」

この書きだしで始まる物語。なんだか、知らないけれどそう言われると知っているような…知らないとは言えないような…()、とても興味をひかれる書きだしです。

このほんやさん、やぎのおくさんが店番をしながら本をよんでいます。やぎ…なのでピンとくる方もいらっしゃると思いますが、このおくさんは夢中になると、なぜかむしゃむしゃとページを食べてしまいます!そうとは知らずに本を買って帰った森の動物たちは読みすすめてびっくり!おもしろそうなページやゆかいなページ、ドキドキするページなど、やぎのおくさんに食べられてなくなってしまっているのです。そんななか、はりねずみさんが買っていった『めいたんてい わにさん』という本の最後の頁がなくなっていることからある騒動が…。

 

ぞうの本屋さんからの配本を毎月楽しみにしている娘。届いたこの本を見て開口一番に「なんかお母さん用みたいな本が来た!」と!

この本は、絵本と本(自分で読むようになっていくもの)の中間にあり、ひとりで読めるようにと「読み聞かせから読書」への橋渡しをしてくれる本でもあります。この本が娘の手のなかにあるのを見たとき、私は「娘と本が離れないようにしていかなくちゃ!」と強く思ったことを覚えています。今年小学2年生の娘ですが、まだまだ読んでもらうほうが大好き。自分で本を開いていることもありますが、文字を読んでいるのか絵を眺めているのかわかりません()。近づいていくと「これ読んで~」と言って身を寄せてきます。読み聞かせのあいだのくっついていられる時間も今の娘には必要なのかなと思い、なるべく(短い本に変えてもらうこともありますが())読んであげるようにしています。

ただ、やはり少しずつ自分でも読めるようになってほしいのが親心学校の勉強にも役に立つということもありますが、自分で没頭して読んでいく楽しさを知ってほしいという気持ちでもあります。この本が届いたとき、娘に「これは自分で読む楽しさを知るための準備の1冊だよ。よかったね。」と話しました。なんだか娘は誇らしげ()。その後、図書館でこのシリーズ「もりはおもしろランド」を見つけては、少しずつ借りて、シリーズをすべて読んでいました。登場人物たちのそれぞれの物語を読むことで、その人物の背景がわかり、だんだん肉付けされていくのもシリーズものの楽しみです。

絵本から本への橋渡し時期は学校の忙しさなども手伝って少しむずかしく感じるかもしれません。そんなとき、ぜひこの本を手に取って読みものタイプの持つ楽しさを少しずつでも感じていただけたらと思います。

 

 

(担当:A)


もりのほんやさん『もりのほんやさん』

 舟崎靖子 作
 舟崎克彦

 偕成社

「童話館ぶっくくらぶ」での配本コース  ▶「大きいさくらんぼコース」(およそ6~7才)

 

資料請求

この記事をシェアする