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シリーズ〈今月の1冊〉- 2026年1月『南の国へおもちゃの旅』


 

今月の1冊

 

今月の1冊は、子どもたちが大好きな「おもちゃ」がたくさん登場するお話、『南の国へおもちゃの旅』(「小さいみかんコース」およそ78才)をご紹介します。

 


 

古くなってごみに捨てられてしまったくまのぬいぐるみテオドールはその日、南の海辺のちいさな村で、たくさんの子どもたちと遊んでいる夢をみます。村の名前は「トリピティ」。そして、同じように捨てられていた木馬のカスパールと一緒に、そんな理想郷を目指して旅にでかけていきます。

旅の途中、ふたりは同じように捨てられていたおもちゃを仲間に加えていきます。首のすずをなくした木のうしのフローラ、ねじのない赤いトラクターと片方の腕がない運転手のミーシャ、赤ちゃんがいなくなってしまったロシア人形のバブーシュカ、片方しか足のないアクロバット人形のアリ…。
どのおもちゃもどこかが壊れていたり、部品が欠けていたりしていますが、それでもみんなで協力したり、まわりの人たちに助けてもらったりしながら旅を続けていく姿には、勇気や励ましをもらうことができます。

 

そしてこの絵本の見どころはもうひとつ、おもちゃたちが進んでいく道中の風景です。
初めはアルプスのふもとののびやかな自然のなかを進みますが、工場地にいったり、田舎の村にいったり、にぎやかな市場にいったりと、さまざまな場所にたちよります。
道々で出会う人々の姿、看板や家のようす、街並みなどを見ていると、テオドールたちは国を超えて、さまざまな文化や風土に出会いながら、遥かなる旅路を進んでいることがわかります。またそれは、旅の途中で出会うおもちゃの姿や名前からも感じられますね。

 

この絵本のなかで、私が気に入っている頁がふたつあります。
ひとつは「ミクロポリス」という世界じゅうでいちばん腕のいい細工師が住んでいる町のようすを描いた頁です。ここでテオドールは目と耳をつけてもらい、ほかのおもちゃたちもみんな修理してもらいます。それぞれのお店のようすが細かく描かれていて、「くつがいっぱい並んでいるからくつ屋だろうか?」「こっちはペンキ屋?」「テオドールがいるのは何屋だろう?」などと想像力を働かせて、ワクワクしながら読むことのできる見応えある頁です。
そしてもうひとつのお気に入りは、やっと海にたどりついた一行が、町でアメやおかしを買いこんでいる頁です。おもちゃたちがおかしを食べている姿が本当においしそうで、わが家の子どもたちも、思わず「食べてみたい!!」「この街どこにあるのかな」と言っていた思い出の場面でもあります。

 

さて、その後、海をわたったおもちゃたちはいったいどうなったでしょう。
それは読んでからのお楽しみにしておきたいと思います。

 おもちゃたちと一緒に世界を旅するような気持ちにもなれる1冊、ぜひ手にとって読んでみてください。

 

(担当:Y)

 


 『南の国へおもちゃの旅』

  ハンス・ウルリッヒ・シュテーガー /作・絵
  佐々木 田鶴子/訳
  童話館出版 ▶詳しくみる

 「童話館ぶっくくらぶ」での配本コース  「小さいみかんコース」(およそ7~8才)


 

 

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