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シリーズ〈今月の1冊〉- 2026年8月『穴 HOLES(文庫)』


 

8月も終わりに近づき、すこしずつ秋の気配を感じられるようになってきました。
今年の夏は暑さが厳しく、海に囲まれたここ長崎でも体温より高い気温の日を何度か経験しました。

 

今月は行く夏を惜しみつつ、ジリジリと焼けるように暑いところが舞台となったお話『穴HOLES(文庫)』(「小さいジュニアコース」およそ1314才)をご紹介します。

主人公スタンリーが運悪く無実の罪で送りこまれたのは「夏のあいだ、昼間の気温は、日陰でも摂氏三十五度前後」のグリーン・レイク・キャンプ。レイクといっても湖はとっくの昔に干上がった乾いた大地で、矯正のためと称して直径1.5メートル、深さ1.5メートルの穴を毎日ひとつ掘らなくてはならない過酷な日々を過ごします。

一癖も二癖もある少年たちや、キャンプの大人たちのようすを観察しながら注意深く行動するスタンリーのようすとともに語られるのは、エジプト人のおばあさんとの約束を忘れて呪いをかけられたスタンリーのひいひいじいさん、大金持ちになったのに無法者に身ぐるみはがされ全財産を失ったひいじいさんのこと、そしてグリーン・レイクがテキサス一の大きな湖だった百十年前のせつなくかなしいお話です。

身体は大きいけれど、学校ではいじめっ子に悩まされていた気弱な彼でしたが、キャンプでの生活を送るなかで少しずつ変わっていきます。そしてあるとき、キャンプを脱走した仲間のために人生で「一番ばかげたドジ」をやらかし、新たな世界へと足を踏みだします。

スタンリーのご先祖さまやグリーン・レイクの昔のお話も絡み合って、物語は思わぬ方向へ…

ちょっと心が折れてしまいそうな境遇に置かれても、スタンリーはけっして絶望するわけではなく、ユーモアも持ち合わせています。
そんな愛すべきスタンリーを応援しながらいっきに読み進められてしまう、おすすめの1冊です。

 

 

(担当:K)

 


 『穴 HOLES(文庫)』

 著: ルイス・サッカー
 訳: 幸田 敦子

 講談社

 「童話館ぶっくくらぶ」での配本コース 「小さいジュニアコース」(およそ13~14才)


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