祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

くわずにょうぼう

 

とんとん むかしが あったそうだ。

むかし、うんと よくばりのおとこが ひとりで すんでいたそうだ。

おとこは やまへしごとにいって、

「おらも にょうぼうがほしいなあ。

よっくはたらいて めしをくわないにょうぼうが ほしいもんだ」

といったそうだ。

くわずにょうぼう / 稲田和子 再話/赤羽末吉 画 /福音館書店

さあ。

日本の昔ばなしでこんなことを言ってしまったら大変です。

なんてったって昔の人は【言霊】を信じていますから、

このお話も、先へすすむと

男のいった通り めしをくわないにょうぼう が登場します。

 

 

…でも人間がごはんを食べないなんて、そんなうまのいい話あるはずもなく

くわずにょうぼうの実態はなんと恐ろしい化け物なのでした…

 

 

 

 

 

誰が考えたか、昔ばなしは本当によくできていて

くわずにょうぼうもこの後山あり谷ありおおもりあがり。

起承転結がとにかく気持ちいい!

前に絵本作家の先生が「自分で絵本をつくるには、昔ばなしを1つ題材にして絵本にしてみるのが一番勉強になる」と教わったのにも納得です。

 

しょうぶやよもぎをみると、このお話が頭をよぎるようになったⅯでした!