せつないが、大好きな昔話
10月2日 土曜日
秋晴れの涼しい朝です。
「きつねにょうぼう」
よくある昔話特有の恩返しのおはなし。
「かさじぞう」や「つるのおんがえし」に似て、
困っているところを助けてもらい恩返しをするという物語。
雨の夜
「たびのもんだが、おまえさんのいえに とめてもらおうと
おもうて ついてきた」
女はひとばんとまり、ふたばんとまり、出ていく様子がない。
そのかわり まいにち よく 働いた。
「おらを おまえの かかにしてくれや」
そうして、二人は夫婦になりかわいい子どももうまれた。
子どももすくすく大きくなり、三つになったある日のこと…
はたおりをしている途中に庭の花に見とれてると、
「かかの しっぺたから でっこい しっぽが ぶるさがっとる」
なんと、子どもが見たのはキツネのしっぽ!
✿
さて、「つるにょうぼう」「くわずにょうぼう」などなど、
正体がばれたらおしまい、という昔話の展開。
大好きなだんなさまと子どもを残して出て行かなければなりません。
せつない展開に、片山健さんのダイナミックな絵が重なり、
ますます心が揺さぶられます。
私が一番好きな昔話絵本となりました。
今でも時々読み返すと『愛するものの幸せを見守る』きつねにょうぼうの気持ちになります‥‥‥I でした。