祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

ちいさなむかしものがたり ~いっすんぼうし~

 

今月から祈りの丘絵本美術館ではじまった企画展

『ちいさなむかしものがたり』では、

ちいさいけれど〇〇… という ちいさなものをテーマにした3つのむかしばなしを展示しています。

 

いっすんぼうし / 椿原菜々子・文 / 太田大八・絵 / 童話館出版

 

こちらはその中の「いっすんぼうし」

ちいさいけれど勇敢な心の持ち主が主人公です。

 

絵本に季節は書かれていませんが、大八さんが描いたいっすんぼうしの背景には

梅の花が咲いていて、モンキチョウが飛んでいます。

すくすくと育ち(体の大きさは変わりませんが)

年は十五、十六になり、おじいさんとおばあさんの元を離れるいっすんぼうし。

都に向かっている道にはたんぽぽやつくしが咲いています。

 

春に生まれたいっすんぼうしは、大きくなって年を重ね、十七の春に

親元を離れる決心をしたのでしょうか??

 

都についたいっすんぼうし。

お屋敷の門を叩き、姫さまに読み書きを教えたり

手習いごとの先生をつとめながら年月を過ごします。

そして季節は巡り、また春を迎えます🌸

(背景に桜か梅らしき木が…)

 

この後鬼のすみかに行く場面では紅葉が描かれているので

秋なんだなとわかります。

最後のシーンは何の季節か。

原画を観終わったら展示フロアに置いてある絵本もぜひ

お手に取ってごらんください。

 

太田大八さんが描いた絵は、絵の具の色がとても鮮やかで

表情がないはずの風景までも、生き生きとしています。

今回はそんな風景に注目して原画を鑑賞してみました🌸

 

季節の巡りを感じて、お話に深みが増した気がしました♪

 

スタッフⅯ