祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

みんわ『だいこんどのむかし』

3月4日 水曜日 雨が降ってます ☔

長崎は、午後から晴れそうです ☀

昨日は営業のお問い合わせが多くありました。

当面の間、通常通りの開館です。

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みんわ絵本「だいこんどのむかし」を読んで、

「島ひきおに」や「しばてん」を思い出しました。

いい事をしたのに、島や村をでていく、という結末。

昔話や、民話によくある結末ですが・・・。

「だいこんどのむかし」 ほるぷ出版
渡辺節子(文)二俣英五郎(絵)

 

むかし、村で かぶやらなんやら 種をたくさんまいたが、

いつまでたっても めがでてこない。

ある日、たったひとつ、だいこんがめをだした。

むらのみんなは、おおよろこびして、みんなで

水をやったり、ひりょうをやったり。

だいこんは どんどん大きくなり、村のみんなで ぬけないほど、

ずーーーーーん と、大きくなった。

ある日、『大根おろし』にされると思っただいこんは、

泣きだしてしまい、村人たちはだいこんどの

だいじにしとくことにした。

だいこんどの は、秋のあらしや、冬のおおゆきから

村を守り、夏には涼しい日かげをつくり、

村の人の役に立った。

しかし、だいこんどの の世話が だんだんめんどうに

なってきた村人たちは、ありがたさを忘れ、

 「だいこんどの、おまえは くっちゃね、

 くっちゃねで、なんの やくにも たたね。

 やくたたずは くわして おかれんから、

 でていってくれ。」と……。

 

だいこんどの は、なんにもいわず、

すぽり すぽり でていった。

 

その秋、村には大あらしがきて、冬には大雪が。

 

 「だいこんどの、かえってきてくれぇ、もどってきてくれぇ。」

 

しかし、だいこんどの は、もう どこにも いなかった。

 

なんとも、さびしさが 心に残りました。

昔話や民話には、なにかしらの教訓がある、と

言われますが、『当たり前のありがたさを忘れるな』

というところでしょうか。

しかし、

ただただ、だいこんどのの気持ちを考えると、

かわいそうで、さびしい。

同じく「島ひきおに」や「しばてん」も

去っていかざるを 得なくなった者

やるせなさ、さびしさ、が心に残ります。

こういう昔話、民話を読んで、

『思いやりの心』を自然と はぐくむことが

できるといいな・・・と思います。

 

Ⅰでした。