祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

エミールくんがんばる

たこって、どうやって腕組みするのでしょう?

この絵本の表紙を見て、なるほど~!と

思った方もいるのでは?

紺・黄緑・オレンジのシンプルな配色が目を引くこちらの絵本は、

童話館ぶっくくらぶの5~6才コース予備にも入っている、

トミー・ウンゲラーさんの隠れた名作です📖

「エミールくんがんばる」文化出版局
トミー・ウンゲラー・作/今江祥智・訳

たこのエミールくんは、海底でサモア船長をサメから助け、

しばらく地上で一緒に暮らすことになります。

8本の手を駆使して、ピアノや楽器を弾いたり、

海の見張り番をして子どもに泳ぎを教えたり、

溺れた人を助けたり・・と 一躍、人気者に!

海岸で、椅子や車、動物のものまねをするページは、

何度読んでも、飽きない♪

ほのぼのした前半から、警察船に乗り、

銃を持った悪者たちと対決する後半まで、

黒の緑の2色刷り&見事な余白の使い方で、

ユーモアたっぷり描いています。

海底に始まり、最後はまた海底へ☆

今江祥智さんのテンポのよい訳は、

まるで講談を聞いているかのよう♪

うみよりもふかい2人(?)の友情を感じる

ラストシーンまで、一気に読んでしまいます!

読む度に細部に楽しい発見があって、

するめのように味わい深いこの作品、

(あ、するめはイカでした!)

ぜひお手に取って、読んでみてください🐙

3度目の再読で、エミールくんには口ない!と気付いて(今さら!?)びっくりのFでした~