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エーミールと探偵たち🕵

エーミールと探偵たち🔍左/文庫版・池田香代子訳🔍右/ハードカバー・高橋健二訳🔍どちらもエーリヒ・ケストナー作 岩波書店

 

舞台は第二次世界大戦前の古きよき街、ドイツの首都ベルリン。

古きよきといっても、21世紀のいま読むからそう思うだけで

当時は高級ホテルやバー、映画館など、新しいものがひしめきあう憧れのような街でした。

 

物語の主人公エーミールくんは、そのベルリンに住む親せきの家へ行くため

ひとり、汽車に乗ります。

手には母親からあずかった花束、ボストンバック、それからお金。

成績優秀で礼儀正しい少年エーミールくんは

おばあさんに渡すよう託されたお金が、母が苦労して稼いだどんなに大事なものか、ちゃんと心得ています。

 

だから汽車の個室でも、よくよく気を付けて大切にポケットにしまっていました。

 

 

それなのに・・・!

 

 

 

エーミールは、

嫌な大人にお金を盗られてしまいます!!!

 

 

 

タイトルからもわかる通り、エーミールはその後、探偵たちと協力して犯人を追いかけます。

そしてその探偵というのが、なんとベルリン中の少年たちなのです!

 

このお話の面白いところは、犯人はもうわかりきっていて

少年たちが犯人をとっつかまえるため

どう頭を使っていくのかということ。

推理をする探偵小説とは一味も二味も違った魅力があります。

 

それから、登場人物がもれなく生き生きとしているので

何気ない脇役かと思ったら、後半すごく活躍したり

ふと言ったことが案外重要な物語のエッセンスだったり・・・

 

主人公のエーミールはもちろん、探偵なかまのグスタフや教授くん、ちびの火曜日くん なんていう子にも注目して読んでみてください♪

 

スタッフMでした🔍