祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

スピード感あふれる面白さです!

この本は、著者の言葉を読んですぐ

欲しくなって買いました。

「1ページ目から本物のエンターテインメントを書こう、と思った。」

「絶体絶命27時間!」 徳間書店
キース・グレイ(作) 野沢佳織(訳)

 

その言葉通り、1ページ目から主人公のジョンが動き出し、

最後のページまで走り続けたような物語でした。

 

ブルック校に転校してきたばかりの16歳のジョンは、

いきなり廊下でカバンを奪われ、追いかけて追いかけて

やっと取り戻したカバンには、数学の先生の財布が。

 

さらに、先生に呼び出されている時に、重要書類を盗んだ、

というぬれぎぬまで着せられ、犯人探しと反撃に出ますが・・・。

翌日の昼までに無実を証明できなければ、退学という瀬戸際に立たされます。

先生には信じてもらえず、仲間もいなくて、絶体絶命!

反撃を開始したときには、読んでる途中でヒヤヒヤして

「もう逃げ出しちゃえばいいのにーー」と、何度も思います。

まずいとき、まずいところに なぜぼくが?

運が悪いだけなのか・・・

これはもう『ダイ・ハード』のジョン・マクレーンです!

 

ほとんどが学校の中の場面ですが、ほんのひと時の、

母親と家で過ごす時間が、とても暖かいものに感じました。

 

大人が知らないところで、ティーンエイジャーは戦ってるんだ!

考えて、戦って、成長してるんだ。と思わせる物語でした。

 

ハッピーエンドというには、まだ解決していない部分も・・・・。

大人に信じてもらえなかった子どもの頃を思い出して

少し苦いものも残りました。

 

ああ、面白かった!

Ⅰでした。