祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

大きな大きな船

 

長崎の港には毎日のように大型船がやってきます。

そして大勢の人が、ぞろぞろと降りてきます。

市電の窓からも見えるその大型船に、

子どもも大人も小さくですが

必ずと言っていいほど、皆が歓声をあげます。

 

↓こちらの絵本は長崎が舞台とは明記されていませんが

港町に住むとある親子のお話。

作者は長崎在住の絵本作家、長谷川集平さんです。

大きな大きな船 長谷川集平 ポプラ社

 

”船” という存在に、いろんな意味を含ませて物語が進みます。

 

2人きりで生活する父と少年。

母親の思い出、口笛、広い海、かっこつけて港を歩く親子。

 

父親の淡々とした物言いが、

言葉のひとつひとつを

ゆっくりと噛みしめさせてくれます。

 

読み終えた後は、短編映画を観た後のような気持ちになります。

 

そして、本編ではなくカバー後ろのソデ部分にかかれた

作者のあとがきも素敵です。

 

 

童話館には長谷川集平さんのコーナーを設けています。

「大きな大きな船」も置いていますので

この夏来られた際はぜひ、手に取ってみてください。

 

 

口笛をふける人がうらやましいとしみじみ思うスタッフMでした🚢