祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

星野道夫さん part2

暑い暑い 夏休みがやってきましたね!

 

昨年の夏にも、ブログで

「クマよ」「森へ」「アラスカ探検記」(福音館書店)

などの 写真の絵本を ご紹介した 星野道夫さん。

 

今回は、読むだけで ひんやり澄んだ空気を

感じられる エッセイ集を ご紹介!

左から:「旅をする木」文芸春秋社: 「アラスカ 光と風」福音館日曜文庫: 「イニュニック[生命]」新潮文庫
~以上、全て 星野道夫・著

「アラスカ 光と風」

今年の 夏のぶっくくらぶカタログ で

紹介されています。(12~13才向け)

20年以上前、まだ 童話館の書店が

町の中心部にあった頃に、お客として

初めて買った、思い出の1冊。

 

アラスカの 1枚の写真の風景に

強烈に惹かれ、住所もわからない エスキモーの村へ

手紙を書き、一夏を過ごした 1971年から始まり・・・

悠久の大地を駆ける カリブーの大群、

天空の冷たい炎 オーロラ、聖なる クジラ漁、

神話のような インディアンの古老・・と

次第に アラスカの魂の奥に 触れていく、

十何年にわたる 初期の旅の記録。

夏休みに読むのに ぴったりの

写真&エッセイ集です。

 

旅の続きを 知りたい方には・・・

「イニュニック[生命]~アラスカの原野を旅する」

アラスカに住み始めた1990年~1993年秋までの

出来事を、より研ぎ澄まされた 言葉と

美しい写真で 綴った エッセイ集。

エスキモー語で、生命を意味する イニュニック。

この瞬間にも 私たちと 同じ時間を 生きている、

極北の 大自然の 生命への 敬意に、

全編、満ちています。

 

「旅をする木」

1993〜1995年に 母の友へ掲載した文章+

新たに書き加えらえられた エッセイ群。

結婚して子どもが生まれた 当時のことも。

 

旅は、アラスカ全土、カナダ国境、ガラパゴス、

オーストリア…と 広がり、

動物に 由来を持つ 神秘的なインディアンの民、

昔の暮らしをするアーミッシュ、僻地の

ブッシュ・パイロット、近代化するエスキモー…と

さまざまな 人々と 交流します。

「人の心は、深くて、そして
不思議なほど浅いのだと思います。
きっと、その浅さで、
人は生きてゆけるのでしょう。」

今回、読み返してみて、

あちこちに散りばめられた さりげない 名文句に、

改めて 気付きました。

そして、この本の魅力 そのもの のような

カバー表紙の絵が、数年前に 展示を観に行った

ねむの木学園の子どもが 描いた絵 と 知って、

更に 大切な1冊に…。

 

何冊も読んだ、

星野道夫さんの写真エッセイ集。

どれも、読むだけで、

心が あるべき場所に 戻っていくような、

静かで自由な 気持ちに させてくれます。

 

大自然や動物の あるがままの

美しさを とらえた写真と、

温かく謙虚な 人柄が伝わる 文章。

 

ぜひ、日々の営みと並行して、

もう一つの時間が 流れていることを

心で 感じてみてください☆

 

来年の夏は、Part3で 写真集を 紹介できれば いいなと 思うFでした〜

 

もっと読みたい方へ☆
「ノーザンライツ」(新潮社)
1996年にロシアでクマに襲われ、
急逝する直前、1995〜1996年の
SINRA掲載の文章と写真+
友人の追悼エッセイ集。
変わりゆくアラスカへの想いが
綴られています。

「アラスカ 風のような物語」(小学館)
1989〜1991年の 文章+写真集。
選りすぐりの写真が多く、
星野道夫さんの 軌跡を辿る
入門書としても。
文庫版には、絶筆原稿も収録。