祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

氷河ねずみの毛皮/宮沢賢治

氷河ねずみの毛皮 / 宮沢賢治・作 / 木内達朗・絵 / 偕成社

 

小さないのちや自然を大切にする作家・宮沢賢治が

なぜ毛皮をテーマにお話をつくったのか?

 

タイトルが気になり読んでみました。

 

お話のはじまりは寒い寒い国の冬の夜です。

もこもこと上着を着こんだ紳士たちが乗り込んだのは

極北の都市『ベーリング』に向かう急行列車。

静かな車内でひと際目立つ、上等な毛皮を何枚も重ねてきているタイチという男。

なにやら これはラッコだ これは狐だ これはねずみの首の毛だけ使った毛皮だと

自慢話を始めます。

 

するとそこに突然青白い光が走ったかと思うと

シロクマふうの紳士。いや、紳士ふうのシロクマが現れて…

 

 

 

 

 

今は毛皮にかわる防寒着がたくさんあるけれど、

この物語が書かれた当時は動物が魚をとるように 

人間も動物から毛皮を得るのが当たり前の時代。

 

宮沢賢治らしい胸がきゅっとなるような締めくくりでした。

 

世界観を忠実に、美しく描いた挿絵もぜひ味わってほしいです

スタッフMでした🕯