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2024年もよろしくお願いします


辰年

 

2024年は辰年です。辰は、「竜(龍)」のことですが、竜は十二支のなかで唯一、想像上の動物ですね。そのためか、西洋と東洋で想像する竜の姿は大きく異なります。

西洋の竜=ドラゴンは、鱗に覆われた巨躯に、大きな翼をもつ姿をしていて、火や氷、毒を吐く、どちらかというと人間が倒すべき存在として描かれることが多いようです。それに比べて東洋の竜は、翼はなく、立派な髭をもつ姿をしていて、竜神や青龍(四神のひとつ)という呼び方でもわかるように、偉大な守り神ともいうべき存在だったようです。

皆さんは、竜、と聞いて、どんな姿を思い浮かべるでしょうか。

さて、そんな想像上の竜ですが、物語のなかではおなじみの存在ですね。「童話館ぶっくくらぶ」の配本コースのなかにも、『白いりゅう 黒いりゅう』や『ほしになったりゅうのきば』があり、昨年の冬企画では『ドラゴン学総覧 NEW EDITION』、『ドラゴン学入門 21課のドラゴン学講義』をご紹介したことも記憶に新しいかと思います。
ただ、竜、といってまず思い浮かぶのは、やはり『エルマーのぼうけん』という方が多いのではないでしょうか。

そこで、辰年のスタートにあたり、今年最初は、『エルマーのぼうけん』から始めたいと思います。

 

エルマーのぼうけん『エルマーのぼうけん』は2023年7月に日本語版刊行60周年を迎えました。『エルマーのぼうけん』『エルマーとりゅう』『エルマーと16ぴきのりゅう』の3部作からなるシリーズの一作めですね。

エルマーの息子の語りから始まる、エルマーの勇敢な冒険の旅。
冷たい雨の日に、年老いたねこに出会ったエルマーは、ねこからどうぶつ島で捕まっているかわいそうなりゅうの子の話を聞きます。そこでエルマーは、どうぶつ島のようすや冒険に必要なものをねこに教えてもらうと、りゅうの子を助ける旅へと出発しました。どうぶつ島でエルマーを待ち受けていたのは、トラにサイに、ライオンなどの恐ろしい動物たち。知恵と出発前に準備した道具をつかい、危機を乗り越えたエルマーの前に最後に立ちはだかったのはゴリラでした。エルマーとりゅうの子の運命は…。

 

 

このお話に、ワクワクドキドキした、というお子さんはきっと多いでしょう。日本語版の刊行が60年前とは思えないほど、今も色褪せずに変わらない魅力をたたえています。その魅力といえば、りゅうの子を助けに、たったひとりで冒険に出発するエルマーの勇敢さとやさしさだったり、危機に直面しても、勇気と知恵で乗り越える強さだったり、ハッピーエンドであることだったり、でしょうか。もちろん、それ以外の魅力もあります。そして、エルマーとりゅうが無事に帰るべき場所に帰れるのか、という余韻を残したラストが、二作め、三作めへと続いていきます。

『エルマーのぼうけん』でワクワクドキドキしたら、ぜひ、二作め、三作めも手に取り、エルマーとりゅう、ふたりの行き先を見届けてほしいと思います。

 


エルマーのぼうけん『エルマーのぼうけん』

 作:ルース・スタイルス・ガネット
 絵:ルース・クリスマン・ガネット
 訳:わたなべ しげお
 福音館書店

「童話館ぶっくくらぶ」での配本コース  ▶「大きいさくらんぼコース」(およそ6~7才)

 

 

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