ーあなたを“まもる”そのすべをー
もうすぐ夏休みも終わりですね。
夏休みの宿題が終わったお子さんも、これから、というお子さんもいるでしょうか。
そして、二学期の始まりを待つ、お子さんの気持ちもさまざまでしょう。
お友だちに会えるのが楽しみ、学校でいろんなことを学びたい、というお子さんも、
学校が始まるのがゆううつ、学校に行きたくない、というお子さんもいることでしょう。
私も子どものころ、学期はじめはゆううつで仕方がありませんでした。
もちろん、楽しいこともありましたし、仲の良い友人との出会いもありました。
けれど、学校生活は、楽しいことばかりではなかったのも事実です。
いやなことがあったとき、軽い内容なら、「今日、こんなことがあってさ、すごく嫌だったんだよね」と、親に話せました。
でも、深い内容のときは、逆に親には話せませんでした。それにはいくつか理由がありました。
ひとつは、傷つけられた内容を、自分の口で言葉にしたくなかったから
ひとつは、そのことを話して、親を悲しませたくなかったから
ひとつは、親や先生に話したことを“告げ口”と言われて、さらにいやな思いをしたくなかったから
他にも理由はありますが、その時は、自分の気持ちを幼いながらに守るのに必死だったんだろうと思います。
ただただ口をつぐんで、時が過ぎるのを待っていました。
口にだすことが自分を“まもる”ことにつながると、知らなかったからです。
そのことを教えてくれたのは、大人になってから出会った、『あなたが守る あなたの心・あなたのからだ』、『気持ちの本』です。
『あなたが守る あなたの心・あなたのからだ』は、アメリカで開発されたCAP(子どもへの暴力防止)教育プログラムを、子どもに直接語る、紙上のワークショップです。
ありのままの自分でいていいんだよ、とまず語ってくれます。そして、ありのままの自分でいるために、自分の心とからだを“まもる”方法を、具体的に教えてくれます。
家庭で過ごす時間よりも、長い時間を過ごす学校や社会で、子どもが安全に、安心して、過ごしてほしい、それが親の願いです。
でも、安全に、安心して過ごすために、時には、子どもが自分で困難に立ち向かわないといけないこともあるでしょう。
そのときに、どうすればいいか、子どもに伝えられていたら、どんなにいいでしょう。いつでも子どものそばにいることはできないからこそ、子どもが自分で“自分をまもる”すべを、身につけさせてあげたいですね。
本の最後には、お子さんに向けての「この本を読んでくれた あなたへ」、読み手である大人に向けての、「おとなのあなたへ」と、作者の森田ゆりさんからのメッセージが添えられています。
この本を通して、親子で“自分をまもる”ことを一緒に考えてみてはいかがでしょうか。
姉妹編の『気持ちの本』は、さまざまな「気持ち」をとりあげて、“自分の気持ちを大切にする”ことを語ってくれます。
嬉しい気持ち、悲しい気持ち、怒りの気持ちを感じるのは自然なこと、そして感じたときにはどうしたらいいのか…。そして、「言葉にできない気持ちもある」こと。
自分の気持ちをだれかに伝えて、だれかの気持ちを伝えられて、いろんな気持ちを感じて、人は生きています。
本の最後には、「おとなのあなたへ」、そして、「この本の活用のしかた」が載っています。
大人も子どもと同じように、いろんな気持ちを抱えて生きています。
ぜひ、大人の方も、自分の「気持ち」に鈍感にならず、大切にしてください。そして、お子さんが、「声」をあげたときには、しっかりと、お子さんの言葉を聞き、その気持ちを受け止め、お子さんを“まもって”あげてください。
多くの方が、この2冊に出会い、“自分”を大切にして、しあわせになることを願っています。
(担当:S)
『あなたが守る あなたの心・あなたのからだ』
作 森田ゆり
絵 平野恵理子
童話館出版 ▶詳しくみる
「童話館ぶっくくらぶ」での配本コース
▶「大きいみかん~小さいりんごコース」(およそ8~10才)
『気持ちの本』
作 森田ゆり
絵 たくさんの子どもたち
童話館出版 ▶詳しくみる
「童話館ぶっくくらぶ」での配本コース
▶「小さいりんごコース」(およそ9~10才)
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