シリーズ〈今月の1冊〉- 2026年2月『ウィリーとともだち』

立春を過ぎ暦の上では春ですが、まだまだ厚手の上着が手ばなせない日々が続いています。
せめて気持ちだけでもあたたかくなるよう、今月の1冊は、『ウィリーとともだち』(「小さいみかんコース」およそ7~8才)をご紹介します。
小さくて内向的なウィリーはいつもひとりぼっち。役に立たないからと、だれもゲームに入れてくれません。ある日、あれこれ思い悩みながらとぼとぼと公園を歩いていると、突然、大きな身体のヒューとぶつかってしまいます。するとヒューは、ウィリーに手を差しのべて「やあ、ごめん」と言います。それからふたりは、公園のベンチでお話ししたり、動物園や図書館に行ったりして、いい友だちになります。
登場人物のウィリーは、身体が小さく気が弱い男の子。一方、ヒューは大きくていかにも強そうですが、周囲に対して威張ることなく思いやりがあります。そして、図書館でウィリーに本を読んでもらいながら大声で笑うところはどこか子どもっぽく、クモをこわがるという意外な一面も…。そのピンチを救ったのはほかでもない、小さなウィリーです。
この絵本は、「童話館ぶっくくらぶ」の「小さいみかんコース」(およそ7~8才)でお届けしています。7〜8才といえば、小学校の生活にもなじんできたころでしょうか。それでも、新しい環境やクラスの人間関係に少しとまどいを感じている子どもたちもいるかもしれません。そんな子どもたちに、このウィリーとヒューの物語が、友だちとはなんだろう…と語りかけてくれることでしょう。
人間関係や友人関係というと深刻なイメージになりがちですが、この絵本は、作者のアンソニー・ブラウンのカラフルでユニークな描写と、すっきりとした短い文章によって、軽やかに物語を楽しむことができます。
このコースになるとお話が長い絵本が増えるので、文章が少ないと「もっと小さい子向けなのでは?」と思われそうなのですが、実際にお届けした会員の皆さまからそういった声をいただくことはありません。
きっと、この絵本は、子どもたちだけではなく読んであげる大人にも、深いメッセージを感じさせてくれるのだと思います。
私自身、“無意識に外見だけで人を判断していることがあるかも…”と反省させられました。
最後のページで、お互いの服装を見てにっこりほほえみあう姿に、心があたたかくなります。
純粋に相手を受け入れ、歩み寄ることができる関係っていいですね。
この1年、皆さまにもすてきな出会いがありますように。
(担当:U)
『ウィリーとともだち』
アンソニー・ブラウン/作・絵
秋野 翔一郎/訳
童話館出版 ▶詳しくみる
「童話館ぶっくくらぶ」での配本コース ▶「小さいみかんコース」(およそ7~8才)
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