大切な人に、心を届ける絵本を
みなさんは、大人になってから、ご自分のために絵本を読んだことはありますか?
子どものために読み聞かせをしたことはあるけれども、自分のためには…という方も、多いのではないでしょうか。
確かに、絵本は一見、“子どものためのもの”というイメージがありますが、大人の心にも響き、楽しめる絵本がたくさんあります。
そこで、今回は、絵本の定期便「童話館ぶっくくらぶ」のなかから、「こすもすコース」についてご紹介します。
「こすもすコース」にラインナップされている絵本の1冊に『とっときのとっかえっこ』があります。
小さな女の子ネリーのお隣に住んでいるのは、おじいさんのバーソロミュー。バーソロミューは、毎日、幼いネリーをカートに乗せて散歩へ連れて行ってくれました。
やがて、ネリーが大きくなると、今度はネリーが、車椅子にのったバーソロミューをお散歩に連れて行って…。
幼いころからバーソロミューの愛情をいっしんに受けて大きくなったネリーが、今度はバーソロミューにしてあげる、成長と老いのなかにある、ふたりのかけがえのない関係性が描かれています。
表情豊かな絵からは、二人の優しい声と、明るい笑い声まで聞こえてくるようで、この絵本を開くたび、温かい気持ちに包まれます。
母となり、子どもの成長や、両親の老いなどを身をもって感じるなかで、改めて頁をめくると、子どもの成長の頼もしさ、それを見守ることができる喜び、散歩したり心許せる人と笑いあったりできる日常の尊さなど…今だからこそ深く共感できることがあります。
そして、さらに時間が経てば、また、異なる想いに出会えるのかもしれません。
こんなふうに、すぐれた絵本は、読む人によって、そのときの状況によって、それぞれ大切な共感や励まし、そして示唆を与えてくれます。
さまざまな人生経験を積んだ大人だからこそ、深く味わえる、そんな絵本がたくさんラインナップされている「こすもすコース」。
絵本がお好きな方、癒されたい方、美しい絵に触れたい方は、ぜひ、毎月の絵本をご家庭に迎え入れてみてください。もちろん、ご家族やご友人へのプレゼントにもおすすめです。
「こすもすコース」の詳しいご案内は、こちらをご覧ください。▶「こすもすコース」を見る
(担当:M)
『とっときのとっかえっこ』
サリー・ウィットマン/文
カレン・ガンダーシーマー/絵
谷川 俊太郎/訳
童話館出版▶詳しくみる
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