ぞうの本屋さんブログDouwakan Planning and Public Relations Division Blog

卯年のはじまりに -グレー・ラビットと森のなかまたち-


 

2023年の「ぞうの本屋さんブログ」は、卯年にちなみ、うさぎが登場する絵本からスタートです。今年も、ブログを楽しんでいただけるよう、邁進してまいります。お付き合いどうぞよろしくお願いいたします。

*****************************

うさぎの絵本、といって思い浮かぶのはなんでしょうか。
言わずと知れた『ピーターラビット』シリーズ、ディック・ブルーナのうさこちゃん(ミッフィーちゃん)シリーズ、『めがねうさぎ』シリーズ、あとはイソップの『うさぎとかめ』もありますね。

グレー・ラビットと森のなかまたち

けれど、今回ご紹介するのは、『グレー・ラビットと森のなかまたち』(2冊組)です。

この絵本は、『グレー・ラビットとヘアとスキレル スケートにいく』と『ねずみのラットのやっかいなしっぽ』の2冊組で、いなかの森に住む、グレー・ラビットたちのお話です。

グレー・ラビットは、働きものでやさしく、みんなのめんどうをみてくれるお姉さん的な存在。
そんなグレー・ラビットといっしょに森の一軒家に住むのは、かっこうつけだけどあまえたところがあるヘア(大うさぎ)と、おしゃれ好きでちょっと毒舌のスキレル(リス)。
牛乳配達のヘッジホッグさん(はりねずみ)、ものしりのふくろう博士など、でてくる動物たちは、個性豊かで魅力的です。

 

グレー・ラビットとヘアとスキレル1冊目の『グレー・ラビットとヘアとスキレル スケートにいく』は、題名のとおり、湖が凍った日に、みんなでスケートに行くお話です。

朝起きて、足がしもやけになってしまったと、「グレー・ラビット、てあてして、てあて」とあまえるヘアに、「わたしの手はあかぎれよ」と手をマッサージしてもらうスキレル。
そんなふうに始まった、なにもかもが凍るほど寒い日。

牛乳配達にきたヘッジホッグさんに、「農場ちかくで、スケートをしている。みんないくっていってるよ」、と教えてもらった3びきは早速スケートへ行くことに。

家事をして、みんなのためにお昼のサンドイッチをつくるグレー・ラビット。
しっぽの手入れをして、一番いい服に着替えるヘア。
しっぽにリボン、首からネックレス、洋服にちょうリボンをつけて、おめかしするスキレル。

とおでかけの準備のようすもそれぞれ。
大騒ぎをしながら準備をして、思い思いのかっこうで、スケートを楽しむ3びき。
スケートをして、お昼ごはんを食べ、またスケートを楽しんで、空がスミレ色に変わるころ、家路につきます。

家に戻ってみると、なんと誰かが、グレー・ラビットが用意していた食事を食べ散らかし、スキレルのベッドで眠っていたのです。不法侵入者をこらしめるために、スキレルは、ベッドで寝ているラットのしっぽを結び…。

そして、お話は『ねずみのラットのやっかいなしっぽ』へと続きます。スキレルに結ばれてしまったしっぽは、解けるのか…。

 

前書きに、「グレー・ラビットの暮らしは、いなかの暮らしです。このお話をかいた、私の暮らしとそっくりなのです」とあり、作者のアトリーがグレー・ラビットと同じように暮らしていたことがわかります。だからこそ、グレー・ラビットたちの暮らしに息遣いが感じられ、本当にどこかのいなかの森でグレー・ラビットたちが暮らしていると思わせてくれるのかもしれません。

神宮輝夫さんの訳もステキで、「赤い夕日がとおくの山のうしろにかくれ」「空がスミレ色にかわり、野原のかげがこくなりました」と、昼から夜への移り変わりが描かれていて、ただ単に「夜になり」と表現するよりも、空の色や表情がわかります。

そして、なんといっても、マーガレット・テンペストの絵!繊細に、表情豊か(仕草がかわいい)に描かれているので、ポストカードにして飾りたいくらい、ステキです。

リアリティを感じさせてくれる物語り、ステキな訳、美しい絵、と三拍子そろったこの絵本、卯年の始まりにぜひ手に取ってみてください。

『グレー・ラビット』のお話はもう1冊、『ふくろう博士のあたらしい家』(▶詳しくみる)がでています。

 


 

グレー・ラビットとヘアとスキレル『グレー・ラビットとヘアとスキレル スケートにいく』

 作:アリスン・アトリー
 絵:マーガレット・テンペスト
 訳:神宮 輝夫
 童話館出版 ▶詳しくみる

 「童話館ぶっくくらぶ」での配本コース
  ▶「小さいみかん」(およそ7~8才)

 

ねずみのラット『ねずみのラットのやっかいなしっぽ』

 作:アリスン・アトリー
 絵:マーガレット・テンペスト
 訳:神宮 輝夫
 童話館出版 ▶詳しくみる

 「童話館ぶっくくらぶ」での配本コース
  ▶「小さいみかん」(およそ7~8才)

この記事をシェアする