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ケロケロ カエルのうたが~♪ ーカエルの日


カエルの日

 

6月6日は「ケロ(6)ケロ(6)」の語呂合わせから、「カエルの日」に制定されています。
ところが、トノサマガエルのメスをのぞけば、鳴くのはオスだけで、しかも鳴く時間帯は「夜」なのだそうです。

「カエルは苦手」、という方も多いようですが、カエルは最も身近な両生類で、日本最古の漫画とも称される「鳥獣戯画」にも登場しますし、薬局やファンシーグッズのキャラクターなどにも用いられていますね。アマガエルの緑色で、ちんまりとお座りするそのかわいさは、親しみやすかったのではないかと思います。

そんなカエルは、絵本や本のなかにもたくさん登場します。『ふたりはともだち』のがまくんとかえるくん、『おたまじゃくしの101ちゃん』のお母さん、グリムの昔話ではカエルにされてしまった王子さまもいますね。

どのお話もご紹介したいのはやまやまですが、今回は、『せかいのはてってどこですか?』をご紹介します。

せかいのはてってどこですか?一ぴきのカエルが井戸のなかに住んでいました。深くて、ひんやりしていて、底には冷たい透き通った水がたまっている、なかなかステキな井戸です。このカエルにとって、世界とはこの井戸のなかのことでした。
ところがある日、井戸の水が枯れてしまったので、カエルは元気なうちに“せかいのはて”を見ておこう、と思い立ち、井戸のてっぺんを目指しました。てっぺんについてみると、そこには風が吹き、風に揺られる木々、輝く太陽、雛菊の花…。世界の果てに到着したと思ったカエルでしたが…。

 

 

 

 

 

井戸のなかで満足して暮らしていたカエルは、「井の中の蛙大海を知らず」ですが、この荘子の教えを用い、東京大学の吉田章宏名誉教授が作られた「井の中の蛙 大海を知らず、されど井の中を知る。大海の巨鯨 大海を知る、されど井の中を知らず」という諺があります。カエルと巨鯨では生きている世界が違うし、見ていることも知っていることも違うように、人にもそれぞれの世界があり、その人だけが知っている世界もある、そして見方や考え方が異なるけれど、それをお互いに尊重し、認め合うことでコミュニケーションが成立し,互いに高めあうことができる、ということなのだそうです。ステキな諺です。

「あの人とは世界が違う」という言葉を耳にすることがありますが、1人1人、生きている環境が違うのですから、「世界が違う」ことがあたり前です。そこから、いかに歩み寄り、お互いを受け入れていくか、そのために何ができるのか、この諺を思い浮かべ、考えていきたいですね。

 

(担当:S)

 


せかいのはてってどこですか?

『せかいのはてってどこですか?』

 アルビン・トゥレッセルト/作
 ロジャー・デュボアザン/絵
 三木 卓/訳 
 童話館出版▶詳しくみる

 「童話館ぶっくくらぶ」での配本コース ▶「小さいみかんコース」(およそ7~8才)

 

 

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