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長崎の異国情緒をあじわって… 長崎居留地まつり


居留地まつり

 

「長崎居留地まつり」は、南山手、東山手、大浦旧外国人居留地一帯などの旧外国人居留地を舞台に、毎年9月に開催されるおまつりです。

 このおまつりは、幕末に居留地で生きた人々や日本の近代化に貢献した長崎の歴史的役割を知り、そうした郷土の魅力を感じてもらいたいと2001年にスタート。まつりをとおして異国の文化を感じることのできる、長崎ならではのイベントです。

 長崎は江戸時代の鎖国期にも中国やオランダとの貿易を許された街で、出島や唐人屋敷といった限られた地区に外国人が滞在していました。開港後には函館や横浜と並び、長崎にも来航する外国人のために外国人居留地が設けられます。こうして外国人が住むことによって、海外の文化や技術が取り込まれ、異国情緒あふれる街並みがつくられました。

長崎港を見渡す丘(南山手)にある「グラバー園」では、洋風建築の建物を見ることができます。スコットランド出身の貿易商トーマス・グラバーの住まいだった「旧グラバー住宅」は代表的な建物で、この「旧グラバー住宅」と「旧オルト住宅」「旧リンガー住宅」は居留地時代に住宅として建てられ、150年以上も変わらずこの地に建ち続けています。また園内には、この3棟のほかに、移築された洋風建築の建物が6棟残されています。

グラバー園内の建物以外にも、石畳の「オランダ坂」、その坂の西側に建つ「東山手甲十三番館」、石造りの壁の「南山手レストハウス」など、ヨーロッパの文化の影響を感じられるスポットや街並みが今も残っています。

 

そんな異国情緒あふれる、南山手・東山手・大浦旧外国人居留地一帯ではこのおまつりの期間、さまざまなイベントが開催されます。
初日には、旧グラバー住宅前で貿易商トーマス・グラバーらの功績をたたえる「グラバー顕彰式」が開かれます。その後、スコットランドの民族衣装をまとったバグパイプ愛好家による「グラバーパイプバンド」が、グラバー園から大浦天主堂へ向けてパレードします。また、大浦天主堂で行われる「居留地キッズコーラス」では、子どもたちが歌声を響かせます。

そのほか、居留地のスポットを巡りながら楽しむ「居留地まちビンゴ」、「グラバー坂かけあがり大会」、飲食などの出店で賑わうバザール、世界のお酒を味わえる「世界の酒まつり」など、楽しみながら長崎の歴史や文化を知ることができる魅力的なイベントがもりだくさんです。

 

私は長崎に長く住んでいますが、実は今までこのおまつりを知りませんでした。私のように、地元に住んでいてもこのおまつりを知らなかったという人も多いようです。今回「長崎居留地まつり」の開催を知り、とても興味を持ちました。

 もちろんこの期間だけでなく、旧外国人居留地には、1年をとおして楽しめるスポットがたくさんあります。これから過ごしやすくなる秋の休日に、居留地を歩きながら、異国の文化や長崎の歴史を感じでみませんか。

そして、グラバー坂の途中にある「祈りの丘絵本美術館」にもぜひお立ち寄りください。1階は「こどもの本の店・童話館」、2階と3階は美術館となっており、国内外の絵本の原画を展示しています。旧外国人居留地の景観に合わせた洋風建築のたたずまいで、皆さまのご来館をお待ちしております。

(担当:B)

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