「絵本とのつきあい方」 1~2才のお子さんにおすすめの絵本-
2022年11月に「絵本とのつきあい方 1~2才の場合」で、1~2才のお子さんと絵本についてご紹介しました(記事はこちらから▶)。では、実際に、1~2才のお子さんに読んであげる絵本は、どんな絵本がいいのでしょうか。
童話館がおすすめするのは、
・絵が中心で(言葉が少ない)、シンプルでわかりやすい
・言葉のリズムが楽しい
・お子さんの身の回りにあるものや動物を題材にした簡単なストーリーがある
絵本です。
1才のお子さんだと、まだ複雑なストーリーを理解することは難しいので、わかりやすい、簡単なストーリーであることが大切です。また、行動範囲や興味の幅も狭いので、身近にあるものや動物の絵本だと、「自分と同じ」、という共感を覚えることができ、絵本への興味も持ちやすいでしょう。
そんな要素を備える絵本として、まずご紹介したいのは、『がたんごとん がたんごとん』です。
題名からすでに、「がたんごとん」と、楽しいリズムを奏でています。
「がたんごとん がたんごとん」とやってくる汽車を待っているのは、哺乳瓶やスプーン、そして、ねこ、と、小さなお子さんにも身近なものばかり。ストーリーもとてもシンプルで、繰り返しながらお話が進んでいきますので、1才のお子さんにぴったりです。この絵本を読んであげるときに、お膝に抱っこしたお子さんと、「がたんごとん」のリズムで揺れると、より一層楽しめます。
次にご紹介したいのは、『どうすればいいのかな?』、「くまくんの絵本」シリーズの1冊です。
主人公のくまくんがひとりで着替えようとしますが、シャツをはいたり、ズボンをかぶったり、と、なかなかじょうずにお着換えができません。それでも、「どうすればいいのかな?」と考え、試し、最後には…。
ひとりで着替えをしようとがんばるくまくんは、少しずつ、自分でできることが増えていくお子さんそっくりで、読んであげる親御さんも、読んでもらうお子さんも、「そうそう!」「がんばれ!」と、共感できる絵本です。
そして、もう1冊。この1~2才という時期だからこそ楽しめる『もこ もこもこ』。この絵本は、ただただ、言葉の響きが楽しい。谷川俊太郎さんならではの言葉のセンス、その言葉の響きに合う、元永さんの絵。リズムの波にのる心地よさが味わえる絵本です。
いかがでしょうか。
大人にとっては、簡単すぎるお話かもしれませんが、1~2才の子にとっては、このくらいの簡単なお話でじゅうぶんです。シンプルなストーリーの絵本を楽しむことで、複雑なお話や昔話を楽しめるようになっていきますので、まずは、絵本と仲良くなることを大切にして、絵本を読んであげてください。
「童話館ぶっくくらぶ」の「小さいいちごコース」(詳しくはこちら▶)では、上記3冊以外にも、動物の鳴き声が楽しい、しかけ絵本『モーっていったのだあれ?』やシンプルな色と形でさまざまな表情を描きだす『かおかおどんなかお』なども含まれています。
ぜひ、「小さいいちごコース」の絵本の世界を、ご家族で楽しんでください。
『がたんごとん がたんごとん』
作:安西 水丸
福音館書店
『どうすればいいのかな?』
文:わたなべ しげお
絵:おおとも やすお
福音館書店
『もこ もこもこ』
作:谷川俊太郎
絵:元永定正
文研出版
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