1年生になって1か月 -Y家の場合
「親の心 子知らず」との言葉通り、親の心配なんて飛び越えて、子どもは成長していきますね。それが頼もしくもあり、寂しくもある…そんな複雑な心境は、きっと皆さん抱えていらっしゃることでしょう。今回は、小学校生活1か月を過ぎた娘さんのようすなど、Yさんに教えていただきました。
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親も子もワクワク、ドキドキした入学式の日からもうすぐ1か月。
いろんなことを心配して、やきもきした数週間が過ぎ、親の私もやっと慌てることなく、娘を送り出せるようになってきました。娘も1人で明日の準備ができるようになり、「明日はこくごがある!やったぁ~」などと独り言を言ったりしています。
入学式では、緊張のなかにも「小学生になることが嬉しくてたまらない!」というような、晴れ晴れとした笑顔で入場してきた娘。名前を呼ばれたときも大きな声で「はい!」と返事をしていて、家で見せる甘えん坊な姿との違いに、夫と2人、顔を見合わせて笑ったものでした。
さて、いよいよ学校生活が始まると、一体どのように学校で過ごしているのか、友だちとはちゃんと話せているのか…登下校は…など、私の頭のなかにムクムクと心配ばかりわいてきます。そうして、自分の心配の方が先にいってしまい、やっと帰宅した娘を質問責めにしてしまった日もありました。
そんなある日、帰ってくるなり、また質問しだした私に、娘が怒ったように「それは今は言いたくないの!いっぱい今聞かないで。ごはん食べてるときにゆっくり話したいの。」と言い放ち、自分の好きなことを始めてしまいました。そこでやっと「あ、しまった!」と気づく私。
その一件があってからは、「ちゃんとプリント渡せた?」など、確認したいことだけを聞き、あとは娘のタイミングを(頑張って)待つことにしました。すると娘から「ねぇ、聞いて~」とだんだん話すことが増えてきたのです。娘が話したい気持ちになったとき「チャンス!今だ!」とばかりに手を止めて、きちんとじっくり話を聞き、なるべく答えやすいような質問をするように心がけています。
とりとめもなく話す娘の話は、例えばランドセルが重すぎる話、初めて図書館に行ったけれど、読みたい本を見つけられなかった話、給食当番にストロー当番もある話、などなどとても小さな話題です。ですが、いろんな話のなかから、娘の目にどんな風に世界や人が見えているのか、どんな風にそれを感じているのか、改めて気づかされることもよくあります。いろんな視点を持っているように感じるのは、絵本をたくさん読んできたからなのかなと嬉しく思うこともあります。
週末には、久しぶりに『ぼくはワニのクロッカス』をじっくり眺めていたので、一緒に読んでみました。以前は「クロッカスがかわいそうでいやだ。」と少し遠ざけていた絵本。けれど今は「こんな風に仲良くなってよかったね。」とニッコリ。きっと心もどんどん成長しているのでしょうね。
昨日寝る前にはこんなことも話してくれました。「あのね、幼稚園もとっても楽しかったけど、小学校のほうがもっと楽しいよ!」そんな風に笑顔で話してくれる娘をとても頼もしく思えた夜でした。
『ぼくはワニのクロッカス』
作・絵 ロジャー・デュボアザン
訳 今江 祥智・島 式子
童話館出版▶詳しくみる
「童話館ぶっくくらぶ」での配本コース ▶「大きいさくらんぼ」(およそ6~7才)
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