ー出会いと別れー 心がザワザワする春こそ絵本を…
入学や就職など、新しい環境、出会い、別れなど、心がザワザワする時期ですね。
実は私も、この季節があまり得意ではありません。どことなく心が落ちつかず、ザワザワ、ソワソワ…。それはきっと、これまでの人生で、そうした新しい環境に、心のエネルギーを使ったり、失敗したりといった経験があったからかもしれません。詳しくは思いだせませんが、そんなぼんやりとした記憶が私のなかに染み付いているのでしょう。
皆さんのなかにも、私と同じように、春が近づくと、ザワザワ、ソワソワするという方がいるかもしれませんね。
新しい環境といえば、わが家の長男もこの春から、中学生です。当の本人はマイペースに春休みを満喫し、新しい生活を楽しみにしているようですが、私は、どことなく落ちつかず、ソワソワ。元々コミュニケーションをとるのが得意ではない息子が、新しく出会う友だちや先生とうまくやっていけるのか、新しい学校のルールについていけるのか、案の定、先回りして心配しています。かといって、平気そうにしている息子に声をかけるのも違うような気がして、さらに葛藤。なんとか自分でコントロールできないか、試行錯誤の日々です。
そんなとき私は、心を落ちつかせるひとつの方法として、絵本をたくさん読むようにしています。かわいらしい絵に癒されたり、ふしぎと心が静かになったり、子どもたちと慣れ親しんだ絵本を囲んでスキンシップの時間をとっているうちにふしぎと安心できたり、心が落ちつくような気がしています。そして、そんなときに必ずといっていいほど、読んでいる絵本が『ちびゴリラのちびちび』です。「童話館ぶっくくらぶ」では、およそ2~3才の「大きいいちごコース」でお届けしていますが、わが家では、子どもたちがそれぞれ10才、12才となった今でも登場する、大活躍の1冊です。
森じゅうのみんなから愛されている小さいゴリラの「ちびちび」。日に日にどんどん大きくなってすっかりりっぱなゴリラに成長します。大きくなっても愛してもらえるのか不安そうなちびちびでしたが、そんな心配は必要ありません。森のみんなは、今でもやっぱり、ちびちびがだいすきだったのです。
いかがでしょう。ちびちびの表情のかわいらしさや、愛たっぷりのストーリーはもちろん、ちびちびの不安がとりこし苦労だったことも、私の心を落ちつかせてくれるのかもしれません。ちびちびに自分を重ねたり、子どもたちを重ねたりしながら、まるで愛の確認作業のようにこの絵本を読みます。また、「ちびちびと同じように、私たち親子もこうしてたくさんの時間を積み重ねてきたから、きっとだいじょうぶ!」と、子どもたちの新しいチャレンジを、少しおおらかな気持ちで見守ることができるようにもなります。
こうして、春は、なんとなくザワザワ、ソワソワしやすい季節ですが、皆さんもぜひ、いつもより少し多めに読み聞かせの時間を確保したり、お気に入りの絵本をくり返し読んであげたりしてみてはいかがでしょうか。ほんの少しだけ、心が軽くなるかもしれません。
皆さんの新しいチャレンジや生活が、心ときめくすてきな時間になりますように!
(担当:H)
『ちびゴリラのちびちび』
ルース・ボーンスタイン 作
岩田みみ 訳
ほるぷ出版
「童話館ぶっくくらぶ」での配本コース ▶「大きいいちごコース」(およそ2~3才)
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