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長崎探訪 - 秋空に遊ぶ狐たち 竹ン芸


竹ン芸

 

前回のブログでは、長崎の秋の大祭「長崎くんち」をご紹介しましたが、長崎市ではこれから11月にかけて、それぞれの地域の神社の祭り、郷くんち(さとくんち)が催されます。
今回はその「郷くんち」のひとつ、「竹ン芸」を見るために「若宮稲荷神社」を訪ねました。

 

若宮稲荷神社「若宮稲荷神社」は江戸時代に建てられた古い神社で、地元の方には「若宮さん」と呼ばれ、親しまれてきました。この若宮稲荷神社で毎年10月14日、15日の例大祭に奉納されるのが「竹ン芸」です。国の無形民俗文化財、長崎市の無形民俗文化財に指定されており、稲荷神社の使いの狐が、若宮社の御神徳をよろこんで、裏の竹やぶで遊ぶ姿を写したものが由来だといわれているそうです。

 

 

竹ン芸

白装束に白狐のお面をつけ、男狐と女狐に扮したふたりが、笛と締太鼓(しめだいこ)で演奏される竹ン芸囃子(はやし)にあわせて、高さ約10メートルの2本の竹の上で、命綱もつけず芸を披露します。2ひきの狐が竹の上で逆立ちをしたり、竹を滑り降りたりと、アクロバティックな空中芸が次々と披露されます。竹は大きくしなり、「折れないかな、落ちないかな」と観客はドキドキです。

そんな観客をからかうようなしぐさもしながら、楽しませてくれます。終盤では、竹の上から観客に向かって、女狐が縁起餅を投げ、男狐はなんと!にわとりを竹の上から放ちます。「あの芸をしながら、懐ににわとりを…。」「にわとりを受け取った人は一体どうするんだろう…。」「今年こそにわとりが私のところに飛んでくるかも…どうしよう…。」と、要らぬ心配もしつつ、今年も「竹ン芸」を楽しませてもらいました。

 

まつりのあとは、静かで、どこか神秘的なふんいきのある、厳かな神社に戻ります。年に1度の、にぎやかでたくさんの人が集まる「竹ン芸」の若宮さんも、いつものひっそりとたたずむ若宮さんも、どちらも私のお気に入りの長崎の風景です。

坂本龍馬神社まさに“坂の街長崎”という場所に位置する神社ですが、長い石段も、今の季節なら気持ちよく歩くことができます。
そして、若宮稲荷神社の境内には、「坂本龍馬神社」があったり、神社のすぐそばには「亀山社中」があったり、坂本龍馬にゆかりのある土地でもあります。

今年の「竹ン芸」は終わってしまいましたが、秋晴れのなか、幕末に思いをはせながら、ぶらり“長崎探訪”してみませんか?

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