ー詩人・谷川俊太郎 翻訳家としての魅力ー
皆さんは、谷川俊太郎という名前を聞いたことがあるでしょう。「二十億光年の孤独」「生きる」「朝のリレー」などの作者でもある、日本を代表する詩人です。教科書で出会った、という方も多いのではないでしょうか。
そして実は、詩だけでなく、絵本や脚本も多く手がけていて、さらには、50シリーズ以上の絵本や童話、漫画の翻訳をしている翻訳家でもあります。「スイミー」「マザー・グーズ」「スヌーピー」などのタイトルを聞くと、
「え!あの谷川俊太郎が訳していたんだ!」
と、さらに驚きです。
谷川氏の翻訳の魅力は、なんといっても言葉のリズムを活かした個性的な言葉選びです。
作品タイトルから、たとえば童話館出版の『ちっちゃなほわほわかぞく』。この原題は『LITTLE FUR FAMILY』で、「FUR」は直訳すると「毛皮」という意味です。それが「ほわほわ」というオノマトペの表現に姿をかえるなんて、さすがですね!
『とっときのとっかえっこ』もそうです。“とっておきのとりかえっこ”というより、リズムがよく、印象に残るタイトルにしあがっています。
谷川氏の翻訳作品で、童話館出版での最新刊は、2018年に刊行された『はるは』です。
頁ごとにひとつのストーリーが完結しているようなイラストに対して、およそ2歳、3歳の小さな子どもにもその世界観が伝わるよう、オノマトペをちりばめた短い言葉が並んでいます。読み聞かせは当然声にだして読みますから、なおさら、その言葉のリズムに引っぱられて、読者に強烈な印象を残すのでしょう。
「なつはざっぶーん」「あきははっぱら」…。
翻訳者・谷川がその物語りをつむぎだします。四季がかろやかに舞っているいるような…。
小さいときから、すぐれた日本語にふれていると、しぜんと語感が磨かれ、その後の言語生活も豊かになっていくことでしょう。
童話館出版には、谷川氏の翻訳でいっそう楽しめる作品が数多くあります。
ぜひ、お手にとってお楽しみください。
谷川 俊太郎 翻訳の童話館出版の絵本
『はるは』 |
「大きいいちごコース」 (およそ2~3才) |
『ちっちゃなほわほわかぞく』 |
「小さいくるみコース」 (およそ3~4才) |
『おとなしいめんどり』 |
「小さいさくらんぼコース」 (およそ5~6才) |
『しずかで にぎやかな ほん』 |
「小さいさくらんぼコース」 (およそ5~6才) |
『とっときのとっかえっこ』 |
「大きいさくらんぼコース」 (およそ6~7才) |
『ちいさな島』 |
「大きいジュニアコース」 (およそ14~15才) |
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