ぞうの本屋さんブログDouwakan Planning and Public Relations Division Blog

読み聞かせの時間ってどうしてますか? —Y家の場合—


読み聞かせの時間

 

1982年に発足した「童話館ぶっくくらぶ」。
現会員さんのなかには、子どものころはご自身が、今は親として、毎月の絵本・本を楽しんでくださっている方が多くいらっしゃいます。
今回登場してくださるYさんも、元会員さんでもあり、現会員さんでもあります。
そんなYさんに、娘さんを育てる母として、絵本・本とのかかわりや子育てのことを書いてもらうことにしました。

1)親として、娘との読み聞かせの時間は…

娘が幼稚園から帰ってくると、時間があっというまに過ぎてしまうほどやることがたくさん!
幼稚園からのお便りの確認、次の日の準備(娘と一緒に)、おやつタイム、夕食の準備、入浴、夕食、片づけ、洗濯…と。

これらが終わってやっと娘が待っている絵本タイムですが、次の日のことを考えると「早く寝せなきゃ!」と気持ちが焦り、ついつい口調がきつくなることもあります。「早くして!」「なんで自分でできないの?」など、言いたくないと思っていた言葉が口からでてきてしまい、そして目にはいる娘の悲しそうな顔…。

「あぁ、また怒ってしまった…」「こんな小さい子になんであんなきつい口調で…」

と反省し、成長しない自分に自己嫌悪で、落ち込むことも。

それでも、1日の終わりに娘へ絵本を読んであげていると、娘が頭を預けてきたり、身体をくっつけてきたりしてくれるので、私の気持ちがほどけてきて少しずつ落ち着いてきます。頁をめくり、「あ、ここは娘の好きな場面だ…」と思いながら、娘の顔をみてみると、やっぱり娘も私のほうを見てニッコリ。そうすると、イライラや焦りがパッと消え、なんともいえない幸福感を得られるのです。

反省と自己嫌悪の日々ですが、せめて、絵本を読んであげる声や体温をとおして「あなたのことがだいじだよ。大好きだよ」と伝えられるといいなと願いながら、読んであげています。

2)わが家の読み聞かせスタイル

本屋さんなどでよく「寝かしつけに絵本を」「この絵本でよく眠れます」といった言葉を見かけます。
私も、絵本を閉じるとニッコリ「おやすみなさい」…、そして、そのままスヤスヤ眠る子ども…、というイメージを持っていました。

でも、わが家はそうはいきません。娘はどうやら絵本が好きすぎるようで、眠るどころか「まだ読んで!これも読んで!」と次々に読んでほしくなってしまうのです。
私も読んであげたい反面、睡眠時間も気になるし、困ってしまい、そうして試行錯誤するうちに、わが家ではこんなスタイルになりました!

夕食後、私が食器洗いや洗濯物を干したりするあいだ、娘は絵本を眺めたり、ぬいぐるみと遊んだりと好きなことをしながらひとりでのんびり過ごします。私が「お母さん終わったよー」と声をかけると、そこからまずは歯磨きタイム。それが終わった時点で時計を確認して、寝室に行くまでの時間に読める冊数を娘に伝えます。

「長い本も読むなら2冊。そこまで長くないなら3冊かな?」

というふうに、時には交渉も必要です(笑)。
そうして、基本的には娘が読んでもらう絵本を決めます。「今日もこれ読むの?」と思う日もありますが、彼女のきぶんを尊重するようにしたり、どうしてもひとりで決められず「お母さん決めてよー!」と言われたときには、こちらから提案したりする日もあります。


このスタイルにしたことで、娘のしたくも早くなり、「これもこれも!」と持ってくることもなくなりました。
外の世界でがんばって帰ってくる娘にとっても、絵本の時間はきっと、いつもと変わらない大切な時間で、ほっとひと息つける時間にもなっているようです。成長して、以前よりも、抱っこしたり、膝に乗せたりと直接的なふれあいは減ってしまいましたが、絵本の時間だけは身体をくっつけてそばにいられるので、互いの愛情の確認の時間にもなっているように感じます。
こうして家庭の事情や子どもの特性に応じて、環境を作っていくのも楽しいですね。

《Yさんご家族について》
長崎県在住、ご主人とYさん、娘さん(現在6才)の三人家族。
Yさんの会員歴:1983〜1988年
娘さんの会員歴:2016年4月〜現在(「大きいさくらんぼコース」)

お気に入りの絵本
ご主人 『14ひきのあさごはん』『はじめてのキャンプ』
Yさん  『しずかでにぎやかなほん』『しりたがりやのこぶたくん』
娘さん 『サンタクロースと小人たち』『ジャイアント・ジャム・サンド』

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