100まいのドレス
ちいさい頃、「わたしのワンピース」(こぐま社)の絵本に
夢中になった 10代~大人に 手にとってほしい 童話が こちら!
※1954年に「100まいのきもの」という題で
出版された絵本が 2006年に石井桃子さんの
改訳で 生まれ変わりました
物語は、主人公のワンダが 数日 学校に来ない ところから 始まります。
いつも みすぼらしい 青い服を きている ワンダは、
からかわれても 家には 100枚の ドレスが ある と 言い張ります。
お金持ちで きれいで 全てに恵まれながらも、
がんこなワンダを つい からかってしまう ペギー、
その友だちで 優しい心を持ちながらも
勇気が足りず 行動できない マデライン、
生徒思いのメーソン先生。
ワンダ不在のまま 物語は進み、ある日、
ポーランド系移民の ワンダのお父さんから 学校に手紙が来て…
と、前半を 読んだところで。
あれ?昔読んだ「百まいのきもの」って
もう少し 単純な話だと 思ってたけど…
記憶違いかな??
いつもは 引っ込み思案の ワンダですが、
みんなが クラスメートの 赤い服の話で 盛り上がっている時に、
初めて ちょっとだけ 勇気を出して、
自分の世界を みんなに 知ってもらおうと 声を出します。
それが、皮肉にも からかわれる きっかけに
なってしまったのが、切なく、胸が痛みます。
読んでいて感じたのは、からかったり、それを 見過ごした 子たちは、
根は悪い子でなくても、罪悪感を 少女らしい 妄想で 正当化して
自分を慰めて、よほどの 事が ない限り 忘れて
日常生活に 戻ってしまえる という 都合のよさ。
少しの 後ろめたさ と共に、気付かずに いじめる側になっていた
思春期の 自分を 思い出す人も いるのでは ないでしょうか。
さて、後半、ペギーとマデラインの
その後の 素直な行動 と 決心に
だんだん 光が見えてきた?
そして、デザイン・コンクールで 明らかになる
100枚のドレスの意味…!!
さらに、からかう クラスメートと 本当は なかよく なりたかった
ワンダの 願いが わかる エンディング…!!
読み進むにつれ 物語の輝きが 眩しくて、
涙が あふれそうでした✨
切なさも ずるさも 美しさも ある、
少女たちの リアルな 心の動き が
細やかに 描かれた、珠玉の1冊です。
訳者の 石井桃子さん の
戦後の 子どもの本 へ かける 熱い思い
が 伝わる 後書きも、必読 です!
本は取り寄せになりますが、
コルデコット賞受賞の画家による
淡く美しい色合いの 100枚のドレスと 共に、
楽しんでみてください👗
スタッフF