祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

雪の結晶

皆さんの住む地方に、

もう雪は降りましたか?

長崎では、年に1~2回降るか降らないか。

でも、今年の冬は珍しく

昨年12月に早い初雪が降りました。

 

ところで、雪の結晶は全て6本枝で

ありながら、一つとして同じ形が

ないことを知ってましたか?

 

今回は、そんな雪の結晶に魅せられた

2人の人物をご紹介します☆

「雪の写真家ベントレー」BL出版
作・ジャクリーン・ブリッグズ・マーティン/絵・メアリー・アゼアリアン/訳・千葉茂樹

こちらは、1999年コルデコット賞受賞の

版画で綴った伝記絵本。

子どもの頃から、雪の結晶の神秘的な美しさに

惹かれて、素人ながら写真撮影に成功し、

世界中にその魅力を広めた、

アメリカの農夫ウィリー・ベントレーの

生涯を描いた作品です。

何かに夢中になる子どもを温かく見守る家族、

成功しても、お金よりも雪こそ宝物だと思う

主人公・・・など、心温まるエピソードがたくさん!

洗濯ひもに吊るしたシーツに、雪の写真をうつして

みんなで楽しむ、幻灯会のシーンがとても好きです。

 

そして、そんなベントレーの雪の結晶の

写真集の美しさを目にしたことがきっかけで、

人工雪の誕生に成功し、世界的に有名になった

物理学者 中谷宇吉郎・博士の

若い人たちへ向けたエッセイ集がこちら↓

「雪は天からの手紙-中谷宇吉郎エッセイ集」岩波少年文庫 中谷宇吉郎・著/池内了・編

北海道大学での雪の結晶の研究、

湯川秀樹氏など科学者たちとの交流、

線香花火や茶碗の形など身近な科学の話、

透視術など非科学的なものについて、

そして子どもたちに語ったコナン・ドイル作の

「ロスト・ワールド」恐竜たちの話など、

専門的な話から楽しい想い出話まで、

幅広く語られています。

 

Fは、タイトルと表紙の絵に惹かれて

買ってしまいましたが、

理系が苦手な頭でも少しがんばれば

充分楽しめる、エッセイ集でした。

絵本は小学校中学年くらいから、

文庫は中学生くらいから、おすすめです。

 

今でも雪の入門書として世界で読まれている、

(洋書版しかない?)ベントレーの雪の結晶の

写真集も、いつか観てみたいFでした~⛄