ちいさなたいこ
あるところに静かに暮らす老夫婦がいました。
ちいさな畑で自分たちが食べる分だけの野菜を育てる
つつましい暮しを送っていた二人。
この夏は、手塩にかけたかぼちゃが豊作です。
なかに、ひときわ大きく目立って つやのいいかぼちゃが
ひとつありました…
ある夜のこと。村のまつりはまだ先なのに
ぴいひゃら どんどん
ぴいひゃらら
どんひゃら どんひゃら
どんどん ひゃらら
と 楽しそうなまつりばやしが聴こえてきました。
気になって音のするほうに行ってみると、なんと
音はあの大きなつやのいいかぼちゃの中から聴こえてきます!!
かぼちゃの中の、にぎやかなこと。
おやゆびほどの男がいっしんふらんにたいこをたたき
まわりでは音に合わせておどる者。笛をふく者。
「あいや、おう」と合いの手をいれる者。
その光景の楽しさに魅せられ、老夫婦は毎晩そっとかぼちゃの中をのぞきます。
さてこの後、おじいさんとおばあさんはおやゆびほどの大きさの人々に
見つかってしまうのでしょうか?それとも・・・
福音館書店さんからこの春復刊された
「いま、この本をふたたび子どもの手に!」シリーズの中の1冊です。
およそ50年前の絵本を懐かしいと感じる方もいるでしょうし
はじめて読んで、斬新なストーリー展開に面白さを感じる方もいるはずです。
私はおじいさんとおばあさんの視点から描かれた、
かぼちゃの中の小さな人々のかわいさに心を奪われました!
去年、おととしはお祭りが開催されなくてさびしかったですが、
今年の夏はお祭りのたいこの音が聴けるかもしれませんね。
ぴいひゃら どんどん
ぴいひゃらら
どんひゃら どんひゃら
どんどん ひゃらら
スタッフMでした♪