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ぞうさんレポート 3)最後の色校正


ぞうさんレポート3

 

さて、シリーズでお届けしている「ぞうさんレポート」も、いよいよ3回目。絵本の完成まで、あと一歩です。

3回目の今回は、「色校正」について、「ぞうさん」がレポートしてくれました。

 


 

ぞうさんレポート

#3 最後の色校正

 

8月下旬のある日。

編集部の室長が、パソコンの画面と原稿をじっと見比べていました。

ぞうレポ3

(だいじょうぶかな?どうしたんだろう?)

そのうち、ブラインドをあげてみたり…。一体何してるのかな?あっ、電話をかけ始めた。

室長「紙とインクのことなんですけど…」

 

電話の相手は、印刷会社さんだ!

室長「あの頁の紫色やピンクはもう少し…。では、紙を変えてみましょうか」

印刷会社さん『————』

室長「それなら、インクを変えたほうがいいですか」

印刷会社さん『————』

室長「ラルフの赤色にはこだわりたくて…。それでは、その組み合わせで、色校正を送ってください。」

 

パソコンの画面とにらめっこしながら、とっても真剣。
印刷会社さんとの認識に、ずれがないか確認しているみたい。

 

ぞうレポぼくたちにも、

「どの紙がいい?これとこれならどっち?この赤の色、どう思う?」

って。

 

画面だけじゃなくて、実際印刷したものを送ってもらって、最終確認。
本機色校正の確認も終わって…。

(やったー!色が決まった~!)

 

 

もうすぐ完成。
早く、みんなにも、セイラとラルフに会ってもらいたいなぁ。

 


今回の「ぞうさんレポート」はここまでです。

いよいよ大詰めの色校正。「ぞうさん」たちが見ていた裏側を、室長に語っていただきました。

室長:「色校正を見ていたところだったんです。『あくたれラルフ』とはまた色使いが違うから、インクと紙、加工の仕方で、どの組み合わせなら、いい表現ができるのかって。
作品によって、すんなりいくときもあれば、難航することも。今回は、この紫色やピンク色の表現がなかなかむずかしくて…。でもだいぶ近づいてきたから、もう少し。作品をどう表現するのがいいか、ラルフたちが生き生きしてくれるように、印刷会社さんと試行錯誤していました。」

同じインクでも、印刷する紙などによって、色味が変わります。そのため、思い描いた色味になるように、さまざまな組み合わせで試し、そうして、一番、作品を表現できる、インクや紙に決定していきます。印刷会社の方に、イメージや意図を伝え、微妙な調整をしていただくのも、腕の見せ所です。

こだわりぬいた絵本。早く完成した絵本が届くのが、私たち編集部も待ち遠しいです。

 

表紙右上

さて、今回も表紙の一部をご紹介します。

絵本のタイトルの想像がついたでしょうか。そう、年に1回の、“あの日”のお話です。
新しい仲間も加わって、どんな1日を彼らは過ごすのでしょうか。

 

最後に、今回も出版用語?をちょっとご紹介。

色校正とは、印刷・製本に入る前に、想像通りの色味が出ているかを確認することです。パソコンの画面と印刷された紙では色味が異なるため、実際の紙で印刷し、発色や明度を整える、大事な作業です。
色校正には、「本機色校正」、「本紙色校正」、「簡易色校正」の3つがあります。

本機色校正とは、本番の印刷機を使い、本番の紙、本番のインクを使って試し刷りをすることです。色校正のなかでも、一番時間がかかりますが、完成のイメージを確認するためには、この本機色校正が必要です。

そして、色校正を確認する時には、照明や光に気を配ることも必要です。室内灯と自然光では、色味が変わって感じられます。だから、ブラインドをあげて、自然光での色味を確認していたんですね。

 

いかがでしたか。ぜひ、色の表現にも着目してみてくださいね。

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