「こみやゆう講演会」を開催しました
この「ぞうの本屋さんブログ」で、以前、「ぞうさんレポート」と題し、『あくたれラルフのクリスマス』刊行の裏側を少しご紹介いたしました。
10月6日に、童話館出版の新刊として発売しました『あくたれラルフのクリスマス』。その刊行を記念して、11月2日に、ここ長崎で、講演会を開催いたしました。
『あくたれラルフのクリスマス』を翻訳された、小宮 由さんを講師に招いて行われた講演会のようすをご紹介いたします。
童話館出版 編集企画室室長 川口
皆さん、こんにちは。童話館出版編集企画室室長の川口と申します。
先月、新たに刊行いたしました『あくたれラルフのクリスマス』を記念して、11月2日にふたつの講演会を開催いたしました。
午前中は、活水女子大学国際文化学部英語学科での学科講演会のひとつとして。
現在在学中の大学生は、長いあいだ、キャンパスに通うこともできず、自宅でレポートや課題にひたすら追われる日々を過ごすなど、新型コロナウィルスの影響を多く受けてきました。
友人とのたわいもないおしゃべりをはじめ、さまざまな活動が制限され、いえ、そんなささやかな喜びや出会いがあることすら知らないまま、卒業していこうとしています。さらには、この世界情勢の不安定さにより、言葉にはできない不安を抱えている学生もたくさんいるでしょう。
そんな学生さんたちのために、翻訳家の小宮由さんの力をお借りして、翻訳者や編集者の仕事の断片、児童書への想いなどを伝えながら、学生さんたちが「自分はなんのために生きているのか」、そんなことを考えられるような時間になれば…と願いながらお話してきました。
学生さんたちの反応は思っていた以上で、改めて、この間、どれだけの不安と葛藤を抱えていたのか、またそれを聞いてあげられる場所や人が少なかったのかなど、私たちもまた、たくさんのことを考える時間にもなりました。
もちろん今の状況はすぐに変わりませんが、それでも、学生の皆さんにはぜひ、本にヒントを求めながら、そして、人との出会いを求めながら、“人としてよりよく生きていく”、そんなことを考える時間を大切にしてほしいな、と願わずにいられません。
午後からは、長崎市立図書館でのイベントとして。
「このよろこびをあのこに」の演題で、小宮由さんが、単独でお話をしてくださいました。
とてもわかりやすく噛み砕いてお話ししてくださったので、「子どもにとってなぜ絵本が必要か」「なぜ、その質が問われるのか」をよく理解していただけたのではないかなと思います。
講演会に参加してくださった皆さま、長崎市立図書館の皆さま、活水女子大学の皆さま、さまざまな形でご協力してくださった方々、そして何よりはるばる長崎まできてくださった小宮さん!この度は本当にありがとうございました。
小宮さんがまいてくださった種を、またここ長崎でも育てていきたいと思います!
長崎市立図書館のイベントでは、小宮由さんが翻訳された絵本・本を購入してくださった方へのサイン会も行われ、多くの方にご参加いただきました。ありがとうございました。
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