「ない、ない。あ、あった!」 ー探しものの日
今日は、「童話館出版」のなくしやさん、くまのサーシャのお話をご紹介します。
はブラシ、くつ、ボールにパズルにクレヨン…、くまのサーシャはなんでもなくしてしまう“なくしやさん”です。「あーあ、いやだ、いやだ! ぼくって、なんでもなくすんだ」。そんなサーシャが思いついた、なくしものをしないための方法は、箱にラベルを貼って、ものを整理整頓することでした。お部屋に散らばるものを、どんどん箱に入れていくと…なくしたものが次々とでてきて、お部屋もすっかりきれいになりました。お父さんとお母さんにほめられて、サーシャはとくいげな顔です。けれど、そのあとは…。
今日、10月4日は「探しものの日」です。
NTTの電話番号案内が104番であることにちなんだ記念日で、 “なくしたものをもう一度本気で探してみる日”なんだそうです。みなさんには、探しても探しても、どうしてもみつからないものはありますか?
私はというと、以前、結婚指輪をなくしたことがあります…。それこそ、本気で探しまわりましたがどうしても見つからず。「これはもうだめだ、みつからない。」とあきらめてから数週間後、洗濯機の底のすき間にハマっていた、というオチでこの騒動は終わりました。
所説ありますが、私たちは、年間で約150時間、つまりは約1週間(150時間÷24時間=6.25日)も探しものに費やしているそうです。
そんなに?! と驚きつつも、思い返してみると…スマートフォンや鍵、ペンなど、「あれ?どこいった?」と、朝のしたくから始まり、帰宅してからも、サーシャのように「あれがない、これがない」と探しものばかりしている、ような気もしてきました。私の場合、年間で1週間どころではないような…?
今は、鍵や財布など、身のまわりのさまざまなものに取り付けるだけで、追跡でき、探してくれるものも売られています。便利なツールが次々と開発され、置いた場所を覚えることや、そもそも「あれ?どこに置いたかな?」と考えることさえ、必要なくなるような世の中へと進んでいるんだなあと感じます。私たちが、覚えること、考えることをしなくなった世の中はどんなふうになるんだろう…と少し不安にもなってくるような。そんなことを考えながら、子どもたちには、便利なツールを与える前に、サーシャのように、「どうしたらなくしものをしないだろう」と自分で考え、整理整頓し、置く場所を決めたらいいんだ!というひらめきや、何かができたという達成感をひとつひとつ知ってほしいな、とも思います。
年間で約1週間、探しものに費やしているその時間は、むだでしかないと思いがちですが、「あーじゃない、こーじゃない」と考えながら、あちこちを探すうちに、懐かしいものと出会えたり、こんなところにこれがあった!と違う探しものを見つけてしまったり、探しものそっちのけで楽しい時間が生まれたりもしますよね。もちろん、なくさないようにすることが何よりですが、そんなむだな時間も人にとっては必要な時間なのかなあと思ったりして、自分を慰めたりもしています。
そして、社内でも、探しものが話題に。鍵やスマートフォン、お気に入りのボールペンをいつも探している…という声や、そもそもなくすことがない、というしっかりものの声も!
なくしものをしないためには、やはり、ものを定位置に置くこと! 今更ですが、これが基本のようですね。それでも、これがなかなかできない私は“なくしやさん”になりがち。みなさんはいかがですか?
(担当:G)
『くまのサーシャはなくしやさん』
文:クレール・マジュレル
絵:ローラン・リエナール
訳:末松 氷海子
童話館出版 詳しくはこちら▶
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