祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

オポッサムは ないてません

よかれと思って・・・が

余計なおせっかいに なること って、

たま~に ありますよね。

 

おせっかいどころか おしつけになって、

した方は 自分の正しさに 自己満足して、

された本人は ストレスになってしまう・・・

 

例えば、暑いのに かわいい洋服を着せられている ペットだったり、

故郷で気ままに暮らしていた老親を 慣れない都会の施設に入れたり、

がまんも覚えさせたいのに、孫に やたら何でも与えてしまう祖父母だったり、

親が 子どもの結婚相手を 勝手に選んだり・・(ドラマの世界?)

 

ちょっと 例えが ちぐはぐに なってしまいましたが、

 

幸せは 人それぞれ

 

ということが、子どもにも大人にも よく伝わる

幼年童話が こちら。

「オポッサムはないてません」大日本図書
フランク・タシュリン・文・絵/ 小宮由・訳

主人公は、オポッサム。

あまりにも キャラクターが完成されていて、

作者の 創った 架空の生き物かと 思いましたが、

調べたところ、アメリカやカナダなどにいる

カンガルーなどの 仲間の有袋類らしい?

 

森の中で いつも 幸せで にこにこ 笑って

毎日を 過ごしていた オポッサム。

ところが ある日、木から 逆さにぶら下がった顔を

悲しくて 泣いていると 勘違いされ・・!?

人間たちが 勝手に 森の木ごと オポッサムを

都会へ 連れてきてしまいますが。。。

 

この 上下を 逆さまにすると、笑い顔と 泣き顔が

逆の表情に見える というのが おはなしの 大事な要。

その オポッサムの表情の 可愛らしいこと✨

 

数々のアメリカの有名なアニメ会社で キャラクターデザインを

手がけてきた作者だからこそ、描ける 絶妙なイラストです。

 

オポッサムは もちろん、4人組の動き、

町の群衆、森や都会の風景など、見事なデザイン性で、

白黒アニメを 見ているよう!

 

幸せって、何だっけ?

何もなくても 楽しかった 子ども時代?

大人になってからの ささやかな自由時間?

 

他の人から見たら、つまらない ありきたりの日常でも、

本人にとっては 何ものにも代えがたい 穏やかな幸せ かもしれない。

少なくとも、人から おしつけられるもの ではなく、

自分の心の中に 答えがあるはず・・・

 

ぶっくくらぶでは、7~8才のコースに入っていますが、

読んであげる 大人の心も グッと つかまれそう。

ストーリーはシンプルながら、いろんな意味で

考えさせられる作品でした。

 

読んだ後は、ぜひ 親子で

本物のオポッサムも 検索してみてください♪

 

スタッフFでした~