人魚姫
実は。ちっちゃい頃から「人魚姫」のお話がキライでした。
だってあまりにも切ないじゃないですか! かといって、ディズニーアニメのハッピーエンドは(あのお話はあれはあれでアリエルがとっても可愛くて大好きなんですが)アンデルセンの人魚姫とは別のお話だよね?って思っちゃうし。
だから人魚姫の絵本はちょっと避けてるところもあったんですが、こちらの本は布地アーティストの清川あさみさんが絵を担当していて、表紙に惹かれて手に取りました。
読み始めたらあっという間に物語の中に引き込まれてしまったほどの、圧倒的な日本語の美しさ!
常々、翻訳される絵本や児童書は「これは日本語ではなく翻訳語だよね」と思うほど独特の云い回しで綴られると思っているのですが、この絵本はその縛りを脱ぎ捨てるようにただただ美しい言葉で書かれています。その文章と描写の美しさと魅力的な挿絵に引っ張られて、あっという間に読み終わりました。
昔から知っている切ない人魚姫のお話そのままの内容だったのに、胸に残るのは切なさだけじゃなく優しい愛おしさ。透明感のある読後でした。
その素晴らしさをすべて表現していた、岡田准一さんが書いたこの帯の秀逸さ!
機会があったらぜひ手に取っていただきたい一冊です。
[スタッフ🌱FK]