童話館スタッフ思い出・イチオシ この1冊 第17回

幼いころ、「童話館ぶっくくらぶ」会員だった私が好きだった本はいくつかありますが、なかでも思い出に残っている作品のひとつが『おれがあいつで あいつがおれで』(「小さいぺんぎんコース」およそ11〜12才)です。
おれこと斉藤一夫のクラスに、ある日転校生がやってきます。名前は斉藤一美。一夫が引っ越す前、幼稚園のころに一緒に遊んでいた友だちだったのですが、昔のできごとをクラス全員の前で話されて恥ずかしい思いをした一夫は、知らないふりをします。ですが一美はなれなれしく一夫につきまとい、いやになった一夫が体当たりを食らわせると、ふたりは中身が入れ替わってしまって…。
これを読んだのはちょうど思春期のころ。少しずつ男女というものを意識するようになる年ごろだったため、異なる性別の身体に心がはいってしまうという物語がスリリングでドキドキするものに感じたことを覚えています。ですがカラッとしたパワフルな筆致で、笑ったり、切なくなったりしながら、物語にはいりこんでいっきに読んでしまいました。
そして、自分が入れ替わったら、どう話したら両親は信じてくれるだろう…とか、もし入れ替わるなら〇〇さんがいいなとか、夜だけはこっそり自分の家に帰って寝たいなあ、そのために自分の部屋の窓を開けておいてもらって…などなど、いろいろと想像をふくらませて楽しんでいた記憶もあります。
大人になって、この作品が「転校生」という映画になっていることを知り、2007年公開の「転校生 さよならあなた」も観たことがあります。原作とは異なるところも多く、また違った気持ちで楽しめました。機会があれば、「尾道三部作」として有名な「転校生」の方も観てみたいなと思っています。
そして、じつは私が読んでいたのは緑の表紙の理論社版でしたので、入社して、童話館出版から装いを新たに刊行されていることを知り、嬉しく、誇らしい気持ちになりました。
これからもたくさんの方に楽しんでほしいなと思います。
(担当:D)
『おれがあいつで あいつがおれで』
山中恒/作
そが まい/絵
童話館出版 ▶詳しくみる
「童話館ぶっくくらぶ」での配本コース ▶「小さいぺんぎんコース」(およそ11~12才)
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