祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

チャペック兄弟

来週から、夏休みですね!

山へ、海へ、色々な計画を立てて

いらっしゃるかと思います。

お出かけに疲れたら、

ぜひ祈りの丘絵本美術館に

涼みにいらして下さい♪

 

さて、子どもの頃、図書館で

出会ったこの絵本。

とにかく大好きで、何度も借りて、

ついに買ってもらいました🐶🐈

「こいぬとこねこは愉快な仲間 なかよしのふたりがどんなおもしろいことをしたか」河出書房新社(品切れ・文庫あり)
作・絵/ヨゼフ・チャペック 訳/いぬいとみこ・井出弘子

こいぬとこねこが、まだなかよく

くらしていたころ・・・

から始まる、ふたり(匹?)の

はちゃめちゃぶりときたら!

泡だらけの床を自分たちの体の毛で

掃除してしまったり、ズボンの穴を

ミミズで縫ってしまったり・・!!

もっとやっちゃって~とワクワク

しながら、読んでいました♪

大人になってから、チェコを代表する

画家&作家チャペック兄弟の、兄ヨゼフ

の方の作品と知りました。

 

「園芸家12ヵ月」中央公論新社(文庫)
作/カレル・チャペック 訳/小松太郎 挿絵/ヨゼフ・チャペック

そして、こちらは弟カレルのエッセイ集。

園芸好きの母にプレゼントしました❁

ガーデニングに興味のない人でも、主人公の

健気な植物への愛と、絶妙なユーモアに、

いつの間にか共感して、園芸好きになりそう!

かわいらしい挿絵は、兄ヨゼフです。

 

[長い長いお医者さんの話」岩波少年文庫
作/カレル・チャペック 絵/ヨゼフ・チャペック 訳/中野好夫

童話館ぶっくくらぶコースの予備に

入っているこちらの作品も、

チャペック兄弟の合作です。

とぼけた味のイラストと、ユーモア

たっぷりの短編は、相性バツグン!

 

子どもも大人も楽しめる、数々の作品を

残した兄ヨゼフ・チャペック(1887-

1945)と弟カレル・チャペック

(1890-1938)の兄弟について少し☆

 

ヨゼフは画家で、弟カレルの作品の

挿絵や共作の劇も多く、自身も

絵本作家として作品を遺しました。

 

カレルは作家、ジャーナリストで、

愛犬ダーシェンカの話を始めとする

エッセイ、戯曲で「ロボット」という

言葉を生み出したことでも有名。

 

父は町医者で、兄弟共に、

第二次大戦前の不穏な時代に、

民衆新聞などを通じて、チェコの

共産運動に参加します。

 

ヨゼフは、ナチス強制収容所で

生涯を閉じ、カレルもノーベル賞

候補になりながらも、終戦前に

亡くなりました。

首都プラハには、裏表になった

兄弟のお墓があるそうです。

 

子どもと動物を愛した兄弟の

ほのぼのとした作風と、その裏に

ある、自由を阻む権力への反骨精神。

背景を知って読むと、また

違う側面が見えてきます。

 

チェコの不安定な時代に、

ユーモアと気概を武器に、

なかよしのあにとおとうとが

どんなおもしろいことをしたか?

作品を通じて、ぜひ深~く

味わってみませんか☆

スタッフF