祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

ラン

 

高校生の頃、友達に教えてもらって何冊か読んだ小説が

森絵都さんのものでした。

 

ラン / 森絵都・著 / 理論社・発行

 

この『ラン』の主人公 環は、物語の後半でフルマラソンを走るため

トレーニングを始めます。

運動音痴であまり積極的ではない22才の女性、環がフルマラソンを走る理由は

自分を変えるためでも、ダイエットでもなく、

『あの世』と現実の世界を

自由に行き来できるようにする、という目的のため…!

 

あの世とこの世の間に存在する『レーン』を

ある速度といくつかの条件を満たして越え、

自由に行き来できるようになれば

亡くなった自分の家族や可愛がっていた猫に会えるのです。

 

それまでに、偶然『レーン越え』を経験した環は、

あの世には何ステージかあり

ステージがあがるごとにどんどん前世のことを忘れ

自分の大切な人たちが『溶けていく』ことを知ります。

 

 

現実ではありえないストーリーと

環の、人間らしい心の揺らぎが

とても細かく描写されていて

ついつい引き込まれていきます!

 

あらすじだけだと伝えきれないのですが、

内容のわりにのんきな登場人物たちもたくさんいて

感動の再会ストーリーではないんです。

 

シリアスなだけじゃなく、ユーモアも感じながら読めますよ♪

 

秋の夜長にぜひ、物語でしか味わえない体験をしてみてください♪

 

スタッフM✎