非・バランス
『クール、クール、クール…』
心の中でそう自分に言い聞かせるくせがついた中学生の女の子。
明るく活発だった小学生時代。その陽気な性格が裏目に出て
いつしか友達といえる子がいなくなります。
ある日、奇妙な体験がきっかけで頻繁に会うようになった女性、サラさん。
サラさんとの出会いのおかげで女の子は
だんだん等身大の自分を取り戻すようになります。
それでも
少しでも気分がたかぶりそうになると
『クール、クール、クール…』と自分を抑える習慣は抜けません。
そんな中、自分よりも年齢も中身もずっと大人で
完璧だと思っていたサラさんにも胸に引っかかるなにかがあることに気付いて…
🌸
女の子と大人の女性が、お互いの存在に助けられて、徐々に
自分の心と向き合っていく海での場面がとても爽やかで素敵です。
私自身、年の離れた友人や、もっと年の離れたその子どもに
救われたりハッとさせられる事があります。
その時の感覚を思い出して、忘れられない本に出会えたなあと嬉しくなりました。
タイトルにもある バランス は無理して保つものではないし
最後に女の子が、バランスなんか考えず自分に正直に行動したシーンが
違った意味でクールだなあ!かっこいい!と勇気づけられました。
不安になったとき、ぜひ読んでみてほしいです。
スタッフⅯ