祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

うさぎのみみは…

 

 

きりんのくびはなぜながいの?

ぞうのはなはなぜながいの?

 

これにならんで、子どもに聞かれてこまること三選のひとつ

(すみません。勝手な三選です)

 

『うさぎのみみはなぜながいの?』

という疑問に、

メキシコのふるい民話が基になった

こちらの絵本がこたえてくれます。

うさぎのみみはなぜながい / 文・絵 北川民次 / 発行・福音館書店

 

 

昔、まだこの世のうさぎのみみがリスのみみのように短いころ、

自分の弱さや小ささを嘆いた一匹のうさぎは

神さまに体を大きくしてくれるようお願いします。

 

考えた神さまはうさぎに、

森で強者とされているトラ、ワニ、

そして頭のいいサルを

自らの手で仕留めたら望みをかなえる、とおっしゃいました。

 

それを聞くとうさぎは

そんなことが自分にできるのかと悩み、泣いてしまいます。

 

それでも勇気をだし、知恵をしぼって、

自分より強くて、大きくて、賢い動物たちを

言葉巧みにやっつけてしまうのです!

 

そして三匹の動物の皮を神さまの前に差し出し、再びうさぎがお願いすると

 

神さまは、

これ以上大きくなったら森中の動物を殺してしまうようになるから

望みは叶えてやれないと

ある一部分だけ大きくしてうさぎを追い返してしまいました。

 

 

・・・そんなわけで、うさぎのみみはながいのだそうです!

 

 

🐇

 

この絵本では

うさぎはなかなか残酷なやり方で他の動物をやっつけ、

神さまはうさぎにうそをつきます。

 

でも、そこではなくて

うさぎが逆境で利かした機転や、

そうか、今の自分で充分なのか。という結末が

何度か読み返していて心に残りました。

 

純粋に、ダイナミックな絵とお話の面白みも好きです!

 

サルをだます時のうさぎの表情はなんとも言えません。ぜひご一読を!

スタッフM🐇