祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

うちの弟、どうしたらいい?

本日は、

一度読んで すぐにまた 読み返したくなった

けなげな お姉ちゃんの 物語を・・・👩

「うちの弟、どうしたらいい?」岩波書店
エリナー・クライマー・作/小宮由・訳

ある日、ママは 「弟をたのむわね」と 言い残して いなくなった。

ママの 言いつけを守る 12才のお姉ちゃん アニーは、

すぐに怒鳴る おばあちゃん(亡くなったパパのお母さん)と

問題ばかり起こす 8才の弟 スティーヴィーと 暮らしている。

ママがいなくなり、年上の不良とつるんで どんどん手に負えなくなる弟。

困り果てたアニーの前に、学校の新しい担任の 若い女の先生が現れた!

この出会いが、家族みんなを 変えていく・・・

 

弟のスティーヴィーは、突拍子のないことを するけど、

根は 悪い子ではなくて、ちょっと お調子者なだけ。

でも、ママのいない現実と、話をじっくり

聞く余裕のない 大人たちの中で、

つい身近で 遊んでくれる お兄さんたちに

ついてまわるようになっていった 結果、

自動販売機を壊したり、電車に石を投げたり・・・。

 

アニーは 弟に腹をたてながらも、

ストーバー先生と犬のスキッパーの 助けもあって、

弟のために あれやこれや 一生懸命かんがえて

行動しますが、そうは言っても 12才。

大人のように 上手くできるわけもなく、

そうこうするうちに、先生は事情があって

田舎へ帰ることに・・・。

 

後になって、この物語が

1967年に出版された と知って、びっくり。

主人公の「あたし」が語る、

にっちもさっちもいかない 現実の切なさに 引きこまれ、

すっかり 今の物語として 読んでいました。

 

田舎に帰った先生を 約束もなく 訪ねていく 姉弟の、

会えるまでの 小さな希望と 大きな不安・・・

だれもいない駅に 降りたった アニーの気持ちが

手に取るように 伝わってきて、劇的な展開でもないのに、

この物語の中で 一番 はらはら どきどき していまいました!

 

大人たちにも 向き合わなくてはならない 現実があり、

アニーも、ストーバー先生や その家族から 温かい愛をもらい、

頼るばかりでなく 自分の現実を

しっかり受け止めていく 覚悟を決めます。

 

アニーの 揺れ動く気持ちに 共感したり、

いっぱい いっぱいの 大人たちに共感したり・・・

親子どちらの世代も 楽しめる、

素敵な作品に 出会えたことを 感謝✨

読みやすいので、ぜひ お手にとってみてください📖

 

次回は、同じ作者による ちょっと変わった

ネコの お話を ご紹介します!

お楽しみに・・・♪

 

スタッフF🌼