祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

くさむら

 

表紙の色が秋っぽいなあ、と何気なく手に取った1冊です。

くさむら/田島征三/偕成社

 

田島征三さんの描く色とりどりで独創的なくさむらの中を

まっしろのボールが、とんで、はずんで、ころがっていきます。

 

あまりのボールの速度にじっとしたまま動かない秋の虫たち。

水にとびこんだボールに驚き一目散ににげるカエル

おおきなお花が咲いていると思ったら、

それは小さなお花にとまるたくさんのチョウたちの姿。

 

🦋

 

ページをめくるごとに移り変わる場面は

ボールの軌跡そのまま。

くさむらにはいる前はまっしろだったボールが

最後、くさむらから抜けると

色鮮やかになっています。

 

ぼくの こころは いろんなものを つかまえたよ 

 

この一文と、鮮やかに染まったボールは

自然で遊んだあとの子どもの心を表しているようで

読み終わった私までもが、色鮮やかに染まった気分に。

 

なんだか胸がいっぱいになりました。

 

乾いた土が水を与えられるように

田島征三さんの絵本は絵も言葉も、身体に沁み込んでくるように感じます。

今回もそんなエネルギーをもらいました!

 

スタッフMでした🦋