たのしい川べ
連日の暑さにやられまくりのスタッフMです…
皆さんはお元気でしょうか?
私は、出来るなら強い陽射しのあたらない地下の暮らしをしたい…
アナグマやネズミ、モグラのように…
と思うくらい、暑いです…
そうそう、モグラといえばですが!
日曜日の「もぐらはすごい」のブログにつづき今日はこちらをご紹介します。
作者であるケネスさんが、愛する一人息子アラステアのため
頭の中でつくりあげた動物たちの物語。
本にする気などなかったお話はアラステアにうけにうけ、
周りの強いすすめで ケネスさんはぐちゃぐちゃだった本筋を書き直し、
(父と子だけのお楽しみで繰り広げられる即興の話なので、ぐちゃぐちゃでも無理はありません)
出版されたのは1908年。
それから100年以上がたったいまでは
イギリス中の父と子、にとどまらず 世界中の親子に読み継がれています。
おっとりしたモグラと利発的なネズミは名コンビ。
そこに威厳あるアナグマが登場して、のどかだった物語全体がぴりっと引き締まります。
でもタイトルをよく見てみると、
副題に『ヒキガエルの冒険』、とあります。
私は最初この副題に気付かず読みすすめていたので、
登場する生きもののうちヒキガエルは、傲慢でうぬぼれや。
他のおりこうな3人からは浮いていて
よくある、物語にスパイスをあたえるための脇役だと思っていました。
でもでも お話も佳境に入って、どうやらヒキガエルがメインの章ばかりになってきたぞ…?というあたりから
どんどん惹き込まれていきました!
最後に訳者のあとがきを読んで判明しましたが、
ケネスさんは当時 きかんぼうでおてんばだったアラステアをヒキガエルにあてはめてお話をつくり、
父子で笑い合っていたそうです!
それを知らずに読んでいた私は、なんでこんなダメダメなヒキガエルを
憎めないやつだ…とちょっと好きになっているんだろうと思っていましたが、
納得!
そこには親が子をみるまなざしが投影されていて、
モグラ、ネズミ、アナグマの行動やせりふにあらわれていたんだ!
🐸
とってもいいお話でした。
一口に“いい”といっても、 感動 や あたたかい ではなくて
生きていくってこういうことかも!というひらめきというか…
う~ん表現がむずかしい。
とにかく、おすすめです!
なので、具体的な内容は特に書きませんでした。
ひとつだけいうと、原題は The Wind in the Willows (石井桃子さんは”ヤナギふく風”と訳しています)。
そうなんです 川べだけの話じゃあないんです。
石井桃子さんの素晴らしい訳と、E.H.シェパード(くまのプーさんの挿画でおなじみ)の挿絵と共に、ぜひ物語の世界へ!!!
ちなみに私は紳士的なネズミくんのファンです。スタッフMでした🐁