めのまどあけろ
とある女の子がいました。
絵本よりも図鑑が好きな女の子。それでも、その子にもお気に入りの絵本が数冊あって、ママは娘の好きそうなそれとよく似た本を探したいと思うのですが。。。
女の子の好きな本たちの共通点がママにはわかりません。
絵柄の雰囲気も違う。お話の内容も似ていません。登場する動物も全部ばらばら。いったい彼女はどんな本が好きなんだろう?
わからないまま数年の月日が経って、もうそろそろ絵本も卒業かしらとママは本の整理をしながら懐かしく娘が好きだった本を読み返してみて、そしてようやく共通点に気が付いたんです。
女の子が好きだった本は、すべてわらべうたみたいに韻を踏むようなリズム感のある文章の絵本ばかり!
女の子が好きだったのは、くまさんでもうさぎさんでもなければ可愛い絵でも好きな色でも特定の展開の物語でもなくて。
歌うような文章のリズムだったんです。
そして、ママがそのことに気付いた頃。その女の子は教科書に出てきた詩の一節に「あなただったんだ!」って呟いていました。
そうですよ。あなたはもうずっと昔に出逢っていたんですよ。谷川俊太郎にね。
女の子がいちばんお気に入りだった絵本です。
この絵本のことを、幼い頃の彼女は(実は今でも!)ずっと「おみおつけの本」と呼んでいました。読んだことのある人だけがニヤリとしちゃいますね。
ちっちゃな子どもの琴線に触れるようなことって、どこにポイントがあるのかわからないものですね。
[スタッフ🌱FK]