祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

ノンちゃん雲にのる~石井桃子さん①~

軽井沢に続いて・・横浜・元町近くの港の見える丘公園内にある、

神奈川近代文学館・外観

「没後10年 石井桃子展
~ 本を読むよろこび~ 」を開催中の
神奈川近代文学館に行って来ました☆

没後10年 石井桃子展 ポスター掲示版

石井桃子さん(1907~2008)と
言えば、翻訳者、編集者、作家と
様々な顔を持ち、日本の児童文学の
全ての土台を作った偉大な方。
童話館の書店にも作品コーナーがあり、
「ビロードうさぎ」「あくたれラルフ」
「野うさぎのフルー」他、
童話館出版からの翻訳本も多数!
今回は、作家としての一面をご紹介♪

石井桃子さんコーナー
(こどもの本の店童話館内)

こちらは、小学生の時に、両親に
誕生日プレゼントにもらった1冊↓

「ノンちゃん雲にのる」福音館書店 作・石井桃子

8才のノンちゃんは、ある日、お母さんとお兄ちゃんにおいてけぼりにされ、 かんしゃくを起こして、池に落ちてしまいます。              いつの間にか雲に乗り、そこにいたおじいさんに、             家族や学校の友達の話をするうちに… 石井桃子さんの創作デビュー作☆

地味な装丁(失礼!)に反して、
中身は相当面白い!
何度か読み返していますが、爽やかな
読後感で、不思議と飽きないのです。
戦後にベストセラーとなり、
映画化もされた名作です。

今回の展示で初めて、                          この明るさに満ちた作品が、
戦時中、兵役についた友人や
自分の苦しさを励ますために、
書き始められたことを知りました。

終戦後も、昼は開墾農場で働き、
夜は執筆活動を続けたという
石井桃子さん曰く、
『苦しい時代に長い時間をかけて
育てたノンちゃんという女の子の
話は、「私の生命のいとなみの一つ」』

展示では他にも、自伝的要素の強い

「幼なものがたり」「幻の朱い実」、

絵本や童話「三月ひなのつき」など、

生い立ち写真や原画と共に紹介されていて、

作品の時代背景がよくわかります。

次回は、翻訳者・石井桃子さん、                     についてご紹介…予定!

とにかくご活躍の幅が広すぎて・・・💦
このシリーズ、終わりが見えません~☆

スタッフF