祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

海と教会

先日、県外の家族を連れて、

長崎市内から車で40分ほどの

外海地区に行ってきました。

離島の多い長崎には、キリスト教

関連遺産がたくさんあります。

訪れた出津文化村も、海、山、川に

囲まれた美しいキリシタンの里です。

 

出津教会・・・1882年、ド・ロ神父によって高台に建てられた、ステンドグラスのない白い壁と木造の内装が、日本の伝統建築を思わせる教会。

 

ド・ロ神父記念館・・・1868年フランスのヴォスロール村から、宣教師として来日し、74才でなくなるまで、外海の貧しい人々に尽くし、石版印刷、建築、医療、ソーメン、パン、マカロニなど多くの知識を伝え、今でも「ド・ロ様」と敬愛されている神父の記念館。元は鰯網工場。

旧出津救助院・・ド・ロ神父が女性支援の為の作業場として建て、織物、ソーメンの食品加工などが行われた施設。2階は、修道女の生活の場などに使用された。

 

外海は、遠藤周作氏の小説「沈黙」の

舞台にもなっています。

広大な海の眺めの素晴らしさを

表した一節が、遠藤周作文学館の

碑に刻まれています。

「人間がこんなに哀しいのに主よ

海があまりに碧いのです」

 

遠藤周作文学館から見た海

長崎のいくつかの教会群が

世界遺産に登録され、見学に予約が

必要になったり、関連施設やアクセスが

整って綺麗になりつつありますが、

教会や記念館のある里村は、以前と変わらず

ひっそりとタイムスリップしたかのような

ゆっくりした時間が流れていました。

「人にあげるものは、最良のものを」と、

ド・ロ神父が100年以上前にフランス

から取り寄せたというオルガンは、

ドイツの職人さんが修理を重ねて

今でも現役で活躍しています。

説明をしてくれたシスターが、

古いオルガンを弾きながら歌って

下さった讃美歌「い~つくしみ深~き

友なるイエスは~♪」の響きが、

いつまでも心に残りました・・・

海を眺めながら食べたソフトクリームの味も忘れられないスタッフFでした~