祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

🎄クリスマスの小屋🎄

 

クリスマスの小屋 アイルランドの妖精のおはなし / ルース・ソーヤー再話 / 上條由美子 訳/ 岸野衣里子 画/ 福音館書店

 

 

赤んぼうのころ捨て子となり、拾われたオーナは

お世話をしてくれた家に奉公し、苦しいことがあっても

前向きに、夢を持ち続け はたらきます。

 

転々とはたらく場所をかえるオーナですが、世界中がどこも貧しい時代。

家族だけで手いっぱいなのに、お手伝いの世話をできる家もすくなく

流れ者となったオーナに、安住の地はあらわれません。

 

それどころか、国中の大ききんによって

とうとう食べるものも何もかも失ってしまいます。

それも、本来はお祝いをするはずのクリスマスイブの夜に。

 

 

 

・・・と、ここまで読みすすめて悲しくなってしまいましたが

凍えるオーナの目の前にあらわれた小さなようせいのおかげで

物語は急に動き出します。

 

 

 

 

 

 

 

このおはなしは、日本の昔話のように、遠くアイルランドで

お年寄りから小さい子どもに語り継がれてきたものです。

 

最後にオーナを待ち受けている出来事は、夢なのか本当にあったことなのか

わからないような不思議な描かれ方をしていて

もしかしたら何百年も昔の外国で、ほんとうにあったことなのかな

と、思わせてくれる静かで優しい終わりかたに、じんわり温かいような

不思議な読後感を味わえます。

 

 

 

今年はアイルランドの妖精のおはなしを

静かなイブの夜に読んでみませんか?

 

 

小さい頃には当たり前だったホワイトクリスマスが

ふいに懐かしくなった

北国出身のMでした❅