「きっとできるよ」-励ましの声を力にかえて
夏の暑さがやわらぎ、ようやく秋の気配を感じられるようになってきました。
「読書の秋」「食欲の秋」「芸術の秋」などなど、みなさんはどのような秋をお過ごしでしょうか。
さて、10月10日は「スポーツの日」(旧体育の日)ということで、今回は童話館出版の本のなかより『こぶたのプーと青いはた』をご紹介したいと思います。
このお話の主人公「こぶたのプー」は学校は大好き。けれど、体育の時間は大きらい。
でんぐりがえしもできなくて、ボールを受けることもうまくできません。クラスメイトたちからは「へたっぴい!」とはやしたてられてしまいます。「いったいぜんたい体育なんて、なんのためにあるんだよ」とつぶやくプー。
そんなある日の体育の時間。
青組と赤組にわかれて「はたとり競争」をすることになりました。
なんと、青組のピンチに大役を任されたプー。
この日の体育の時間が終わり、プーは、次の体育の時間が少しだけ楽しみになります。
大役を任されたプーはどんな活躍をみせたのでしょう。
だれにでも苦手なこと、憂鬱なことはありますよね。
プーのように「いったいぜんたい○○なんて、なんのためにあるんだよ」とつぶやいた覚えが(何度も)私にもあったような…。
「できっこない!」と思ったとき、
「あんたの助けがいるの」「へいきよ。だって、これはあそびなんだから」
プーにはこう言って励ましてくれる友だちがいました。
子どもが、できないからやりたくない!と苦手なことに二の足を踏んでいるとき、大人の私は「どうすればこの子がやる気になるだろう」「こんな言い方をしたらだめかな」といろんなことを考えすぎて、結局子どもに想いが伝わらないという場面が多々あるような気がします。
でも、子どもたちはすんなりとシンプルに「きっとできるよ」を伝えることができて、その一言でプーのように「やってみよう」のスイッチを入れることができるんですよね。
もちろん、いやなことを言われて、途端にスイッチがOFF!になることも、あると思いますが、落ち込んだり、励まされたりをくり返しながら、苦手と向き合うことを、子どもたちは、親の知らないところで学んでいってくれてるんだろうな、と、この本を読んで、親として励まされる思いでした。
これから運動会を迎えるお子さんたちもたくさんいると思います。
楽しみで仕方ないお子さんもいれば、体育が苦手で憂鬱になっているお子さんもいるかもしれませんね。
プーの活躍が、ほんの少しだけでも、そんなお子さんたちの背中を押せたらいいな…と思っています。
(担当:G)
『こぶたのプーと青いはた』
作 カーラ・スティーブンス
絵 レイニイ・ベネット
訳 代田 昇
童話館出版 ▶詳しくみる
「童話館ぶっくくらぶ」での配本コース
▶「小さいみかんコース」(およそ7~8才)
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